OZZFEST主催者オジー・オズボーンをおさらい

【OZZFEST JAPAN開催!主催者オジー・オズボーンをおさらい】




 このメタルという音楽の歴史において欠かせない存在といえば、OZZFEST 主催者Ozzy Osbourne(オジー・オズボーン)だろう。言わずと知れたヘヴィメタルの象徴。ハードロック、ヘヴィメタルの歴史を遡れば必ず到達する「オジー・オズボーン」という存在。ヘヴィメタルの祭典「OZZFEST」の国内2度目開催を祝し、オーガナイザーを務めるオジー・オズボーンの人物像とメタルの背景、その源流に遡りその魅力に迫っていきたい。

■メタルは悪魔の音楽?
 「悪魔的で怖い音楽」と、メタルについて表現するとなんだか誤解を招くだろうか。では逆にメタルは「天使的で優しい音楽」なのか。この場合は絶対にそうではないと言い切れる。じゃあやはりメタルは悪魔的で破滅的な暗黒世界の音楽なんだ!などとすると実に乱暴極まりない。それはメタルの表面だけを遠目からのイメージに沿っただけの軽率な扱いとなってしまう。

※参照動画
【Black Sabbath:iron man】

 じゃあ「メタル」とはどういう音楽なんだろう。イメージ的にはやはり、デスボイスの断末魔シャウトやら、やたら歪んだギターサウンド、テクニカルな速弾き、腹にくるベースのゴリッとした重低音、凄まじい運動量、ヘヴィなドラムプレイ、ヘッドバンキング(頭をガンガンに縦に振るアクション)で猛り狂うライヴ。少なくともこれらは確かにあるのではないだろうか。

 では「何故そうなった?」というところだが、言葉どおり重金属の様な屈強な音楽 – ヘヴィメタル。これを紐解くのは生半可ではないだろう。そこでまず、メタルの始祖であり象徴ともされるOzzy Osbourne(オジー・オズボーン)にフォーカスする必要がある。

■オジーがブラックサバスで掲げた暗黒観
 ハトを喰らう!コウモリの頭を喰いちぎる!ヤギをステージにブン投げる!アルコールと薬物で私生活は大変な事に!等…….音楽の内容以前に、“オジー・オズボーン”といえば破天荒なゴシップ的逸話がついてまわる(全て事実だが)という事が先行されがち。

 音楽性が反映した事象と捉える、という事も出来なくは無い気もするが、これらの「伝説」は置いておいて、「メタルの派生」についてオジーの歴史と共に考察してみたい。ライヴで何故にハトを食べたのかは結構気になる所ではあるが。

 全世界で1億枚以上のセールス功績を持つメタル界の帝王 – オジー・オズボーン (John Michael “Ozzy” Osbourne, 1948年12月3日 〜) そのキャリアは、トニー・アイオミ、ビル・ワード、ギーザー・バトラーと共に結成した「BLACK SABBATH」(前身バンド名”EARTH”)の活動からスタートした。

 オジーがボーカリストを務める「ブラックサバス」は1970年1stアルバム「黒い安息日」でデビュー。ブラックサバスのコンセプトは「悪魔的な世界観」「暗黒世界」。その点はブラックサバス開始当初から一貫して徹底されており、印象としてのメタルのスタイルを開始当初から確立していたという注目すべき点がある。




 「悪魔的で怖い音楽」「人を怖がらせる音楽」という恐ろしいコンセプトの背景にある「人間は本能的に恐怖や破滅に対する欲求を抱いている」という点への着目。そこに彼らの音楽を介入させて表現した事は、ブラックサバスの最も特筆すべき点だ。その結果、「ハードロック」というより「ヘヴィロック」という音楽性に繋がり、「重金属の悪魔的な響き」が生まれ、ハードロック、ヘヴィロックから「メタル」へと派生させた始祖的な存在として歴史に名を刻んだのではないだろうか。

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