ここだけ毎日更新。ツイートばりの短文日記。
2月。
たいへん立て込み、シュッと一日が過ぎて行く。自分が死ぬ時に、人並みに脳内で走馬灯が走ったとする。現在の状況をどう映すし、どういった感想を抱いて懐かしむだろうかと考える。
「時期的にも、よう仕事をしてるな」だろうか。「その頃はまだ遊んでて良かったのに」だろうか。「もっと積極的に下半身を使うべく時期だったな」だろうか。「こんな事あっただろうか?」だろうか。
何にせよ、最終最後の走馬灯に「違う!もっとこうすれば……!」という感想はあるのだろうか。
「人生は一度きりだからもっと…」という啓発的な意見によく世間で触れるが、走馬灯の感想はきっと、「良かったな」とか「悔いる」とかではなく、ただ、客観的なものだという気がする。
少なくとも、人生を実感している時は、人生は一度きりなのだろうかと思われるが、現在、軽く回想すると、どんな幸福な時期も、クソ人生と下唇を噛んだ時期も、何やかんやでやれやれと過ぎただけの時期、という気もする。
だから、ちょっといそいそしている今とか、シュっとして良いと思う。
_02/01
たて込みが一段落したので明日はゆっくり過ごそうと思う。
美容室に行ってパーマを当ててみたい。一度でいいから。
_02/02
書いたつもりが消えているのは更新ボタンの押し忘れと思われる。半日仕事して、疲れのせいかあとは屍の様に過ごしていた。
_02/03
原稿おこしなどをやる。暖かい気候のせいか、捗る。先日酒を控えたからか、頭が冴えて何故か不安な心境が強くなる。シラフでバッドトリップする精神傾向の人間は日本人の3割くらいと自分はみている。実際どうかは検証がむつかしかろう。
鬱病に罹患した人間は、治りかけが最も自殺の危険性が高い時期であるという事が各種精神疾患書籍に記されている。中島らもの著書にもわかりやすく楽しく書いてあった。楽しく書くから凄い。
絶望の終着点から戻ろうとする時、死ぬ元気から出て来るという心境は、何となく解釈出来る気がする。おかしな話であるが、本当にまずい時というのは何も感じていない事すら感じていないという恐ろしい話である。
どうして人間の精神構造は複雑かつ多種多様なのかと考える。それは、常に前進し、物事を発展させ、色んなものを欲しがり、何かと進化させようと思う基本概念があるからだと思った。それが無ければ、食べて寝てたまに動いてというだけの生活なので、変な事にはならない。
無駄に不安な時はとりあえずアッパーな人の真似をすれば良いと思う。だから南米人を見習って腰を中心に踊る事にした。僕は日本人なので肴もなしに踊る事は簡単ではない。だからギターを持って住宅事情ギリギリの音量でジェームスブラウンの音源と一緒に弾いて踊った。踊った。とりあえず不思議と楽しい。
_02/04
朝起きて宵まで働いて過ごした訳だが何とも普通の日だと感じる。特につまらない訳ではなく、ボヤッとしている訳でもなく、むしろ頭やらはどうも冴えているし充実感もちゃんとある。決して不満な気分ではない。
これは変化欲だとピンときた。どんなに楽しい事ややりがいのある事であっても、ルーティン気味になると変化を付けたくなるという人特有のアレだ。
人以外は何があるかというと、知らない。しかし考えてみると身近な動物は「よく飽きないな」と思う生態で日々を過ごして最後は確実に死ぬ。
イヌは散歩を楽しみに一生過ごせるし、ネコは永遠に同じブランドのキャット・フードを食べて生きられる。
しかし大枠で考えたら、人も同じ様な気もしてきた。動物的欲求に加え、名誉欲や承認欲やら、人欲に破滅欲と、細かくは他にもあるが、誰かが何かを欲する時はこれらの枠に収まるという実につまらない結論に辿り着きそうで、それは完結させるべく考えではないと思った。
だから新たな欲を作ろうと1日の合間にちょいちょい考えてみた。こんなに難しい事もないと思ったが、それは一人で考えているからだと気がつく。明日は「何欲が新しくて良いと思う?」と、他者に軽く訊いて回ろうと思い立つ。
「従来の欲をちゃんと満たされていないからその質問が飛んで来る」という、何者でもない奴からの返答が一瞬で頭をよぎった。
という訳で明日も今取り組んでいる事を頑張ろうと思った。
何しろ、他者と関わり、頑張って取り組める事が毎日絶えないという事は気づき難い幸福そのものであると思った。
仮にそれが無く、それを欲する事は、何欲と呼ぶのだろう。
_02/05
今日は事務的な事以外何も考えない様に過ごしたところ朝になっていた。あまり有益な意味が無いのでこういった事は控えようと思う。
_02/06
最近アルコールを飲まずに過ごしているので、脳や精神が変にクリアだ。寝起きは若干爽やかだし、こづかいも浮く。浮いたこづかいを貯めておけば良いと思う。
ちょっと酒呑んで寝ると無いのだが、シラフの夜の入眠はサイケデリックな感覚がある。これはこれで面白いが、大丈夫なやつかどうかは気になる。飲酒もシラフも一長一短な気がする。
_02/07
時間が経つのが早く感じるのは歳を重ねるせいではなく、感じ方を遠慮し、自ら薄くしていると考える。
10代の頃は、本当にどうでも良い事に逐一感動したり絶望したりともう大変だった。そういった時を後から回想すると、実に濃くも深い時間となって頭を馳せ巡るので短い時間だったとは感じない。
感じ方が薄くなるという事はなかなか怖い。幼少期に飼いネコが急に居なくなった時は、信じられないくらいの絶望感と、直ちに帰宅してくれ感で胸がいっぱいであった。
だが同じ事が今起きたとしても「死期か」の3文字で済んでしまう。恐ろしい。だが、こういった考え方・感じ方は「歳を重ねた」という事の感心しない種類の方である。
だから、何かしらの、何でも良いから手前が何かに対して感情が動いた時は、そのアウトプットの度合いをためらわない様にしようと心掛けたいと思った。
今日だって、些細ながらも嬉しい事はたくさんあったはずだ。でもその度に眉一つ動かさずにしまっているから時間が経つのが早いと感じるのだと思う。
明日は事ある毎に爆笑して過ごしてやろうと思う。嫌な事に見舞われたら膝から崩れ落ちてやろうと思う。知人に嬉しい事があったら胴上げしてやろうかと思う。悲しい事があったら失禁してやろうかと思う。誰かに悪態を突かれた時のみクールでいようと思う。
なんて楽しい人生だ。
_02/08
とても寒い日。やっぱりあっという間に時間が過ぎる。
_02/09
レッスンをして原稿をやって小休止したらソファに吸い込まれてやる気の一切が無くなる。復旧に数時間かかる。非常に覇気が無い。酒を買いに行くガッツすら湧かん。
そんな時、どうすれば良いか。駄目な時はどう足掻いても駄目なので、最低限の事をちゃんとやって、後は寝ちまう事だ。グー。
_02/10
「恋のダウンロード 二人パレード」という歌詞の何だったかを鼻歌で歌い出したら止まらなくなり、一日が過ぎて行く。
その何だったかの曲がオンエアされていた頃、自分は確か27、28歳だった。覇気の無い日は、だいたい過去の事を懐かしむ老人の様な心境になる。
もっと明るい未来の事を考えようと思う。何かの本に確信じみた文調で書いてあったが、人間が悩んだりするのは「未来の事を考える」からだそうだ。
動物が悩まないのは未来の事を考えないからだそうだ。だから僕が今日、だいぶ過去の曲を鼻歌でずっと歌っていたのは、未来の事を考える事からの逃避、悩む事を拒絶していたからだと思った。
そうはいくまいと奮い立ち、「恋のダウンロード 二人パレード」の2小節しか知らない曲なので、その続きを考えた。
が、やはり今日あたりはたいへん面倒に感じるので「恋のダウンロード 二人パレード」で検索してオリジナルを聴いた。
恋のダウンロード 二人パレード
君が居れば レッドカーペット
夢をダウンロード 僕としようよ
ロマンティック 今始まるよ
という、何とも明るい未来の曲だった。
気がする。
_02/11
こいつは風邪の気配という明らかな感覚があったが、90円の謎ビタミンジュースを飲んだら治る。年に1回風邪をひくかひかないかという、案外頑丈な手前の身体をくれた親御に対し感謝の意は禁じ得ない。
夜、村上邸に行き、Led Zeppellinの話などをする。中学生の頃からいたく気に入って聴いたバンドにつき、各アルバムのリリース年から収録曲、細部の特色まで気持ち悪い程に覚えている。
V系全盛期の頃にクラシックロックを聴いていたアンチテーゼが現在の仕事に活きるとは、当時はあまり考えていなかった。
学校の机に筆記用具で何かしらを刻印するという事は誰しもが経験した事かもしれない。好きな異性の名であったり、当時ハマっていた何かしらであったり、只のはけ口のネガティブフレーズであったりと。
僕は、某区西高等学校1年1組22番の机の右隅上に「Led Zeppelin」とシャープペンシルの固い所を刃先に刻印した。時が経ち、その机に座席した後輩はどう思ったのだろう。気になって欲しい。
_02/12
今日は聖バレンタイン・デー。男子の挙動を不審にさせ、女子に気を遣わせるという訳の分からない日である。
いいや、そんな事はない。遠巻きに性を見据えながら男女が特別なコミュニケーションを交わすという、伝統ある聖なる日である。
聖なる日ってなんだろうと正直思う。神聖のセイだ。聖水のセイ。何と、この2つしか「聖」にまるわるフレーズが出て来ない。俺はもっと書物を読んで勉強する必要がある。
と言うか、聖水って何だろうと止まる。激しく「これは良い水さ」と思い込んでる感じの煌めく水だろうか。
そういった理由で俺は今、激しく聖水が欲しい。聖水を手に入れた暁には宅で一番いい位置に聖水を奉り日々崇め倒す。
されど無条件で毎日幸福に生きられる。といった理由で、聖バレンタイン・デーではチョコレートではなく各々が聖水を交わすというイノベーションを起こせないものだろうかと考える。
実に意味がわからない。
_02/13
もの凄く寝る。スッキリして一日を過ごす。
込み入った事に悩まされるが、そんな事は誰しも大なり小なりあるはず。変に曲がった被害者面をせずに生きる事が大事だなと考えたりする。されど、いつ何時であっても自由に立て直せると実感する。
_02/14
公演リハーサルに行って皆さんと一日過ごす。
帰りに環状七号線沿いのいなたいメシ屋でおいしいご飯を食べて、お酒とカニカマみたいな変なのを買って、宅でデスクワークをして、酒飲んでソニックユースの1998年の盤を聴いてと、たのしく一日が過ぎたからそろそろ寝ようかと考える。
_02/15
一日ぼやっとした気分だったが、いつも通り過ごす。明日は元気を出して張り切って行こうと思う。ちゃんと整った朝ご飯などを作ったりして、姿勢を正したい。起きたらまずパン屋さんに行ってうまいパンを買ってこよう。サラダとかも作ろう。
_02/16
終日、採譜や原稿おこしなどで尻が爆発しそうだが風呂に入ればだいたい整う。「風呂は命の洗濯よ」とはよく言ったものである。
たまにはと思い、脂がちゃっちゃっと乗ったラーメンを食べる。しょっぱい。知らなかったのだが、どうも閉店寸前に入店した様で、うら若き2人の男女の店員たちは何だかいそいそとしていた様に見えた。悪い事をしたかなと少し思った。ちゃっちゃと食べてごちそうさまをした。
_02/17
春先に何かしら新しい事がしたいなと奮い立つ。具体的には決めていないが。とりあえず目先の事をちゃんと頑張って何かと蓄えよう。
_02/18
一日宅で公演の練習やレッスン準備、原稿おこしなどをやる。何となく最近、「人生の残り時間」とか「今最もやるべき事」とか、何ともシリアスで真面目な事を考える。
もっとファニーで不道徳な事に没頭したいのだが、そうもいかない時はやっぱりそうだから、とりあえず真面目に仕事をしよう。
_02/19
妙な天気の一日、夕方にレッスンへ行こうとすると雨がピンポイントで降って来る。一瞬、日頃の行いがどうこうという考えが浮かぶが、天候と俺の動向は全く関係ないと判断し、張り切って傘をさして出かける。
帰路、弾き語りをしていたグラサンの兄ちゃんが俺より張り切って演奏をしている。何となく「この野郎」と思い斜めに眺めていたら、俺がアコースティックギターケースを持っていたからか、事もあろうか気安く「そのギターどこのやつ?一緒にやろう」とぬかす。
実にフレンドリーな兄ちゃんであったが、俺は天候のせいで非常に好戦的な気分であった為、彼の右側に座ってギターを取り出し、威嚇気味にレッド・ツェッペリンの曲を全力で弾いた。俺は一体何をしているのだろう。北区某駅周辺はイギリスの70年代の音楽と季節外れの生暖かい空気に包まれ、変な空気になってきた。
俺の全力演奏は、3合は呑んで仕上がっているであろう妙なとっつあんを引き寄せた。こいつはこいつで「今のツェッペリンな!次はアメリカの音楽をやってくれ!っへへ!」と抜かす。どんどんカオスになってきたのは俺の責任だ。そう思い、イーグルスの曲を演奏した。
よせばいいのに何故かとっつあんは歌い出した。「ホテル・カリフォルニア」をソラで歌い出した。何故この英語の歌詞を完璧に覚えている。そのボーカルたるや、神懸かって流暢であった。
と言いたい所であるが、それは贅沢というもの。下手すぎず上手くはなく、そこそこであった。ああ酒臭い。しかし歌詞を覚えているだけ凄いので、そこに敬意を払い2コーラスほど演奏する。そして、ギターソロをも口ずさもうとするとっつあんを笑い出した弾き語りの兄ちゃんにより終演となる。
兄ちゃんはご機嫌となり、名前を聴かれたので本名を名乗り「あなたは?」と聞き返すと「グラサンです」と名乗った。ふざけるな。
今日は妙な天気であった。
_02/20
たいへんたて込んで来る。張り切っていこうと思う。
_02/21
パラダイスロスト公演というたいへん曲目の多様なたのしい興行のリハーサルに行く。終日せっせと皆様で張り切る。
堀田氏が気つけに飲んでいた「モンスター」というエナジュースがうまそうなので私も買って飲む。メロンソーダの味がする。
古風なカッフェにはまずあるクリームソーダを思い出した。純愛の序盤にカッフェでクリームソーダをちちくり合いつつ今後の展開を馳せ巡らせ、しかしそれは人生の淡くも濃い刹那的な愉悦の記憶となる事やらと考え、いやそんな暇はあまり無い。せっせと皆さんでリハをする。
帰宅して原稿起こしをし、酒を浴びて恍惚と背徳にまみれて気絶寝してしまいたいと考え、いやそれは駄目だ。
明日もメロンクリームソーダ味のエナジュースを飲んで頑張ろうと考え、これは良し。と思う。
_02/22
12時間後にはパラダイスロスト公演の楽屋でワクワクそわそわとしているであろう思いを抑え込み、そろそろグッスリ寝ようと思う。今日とて終日仕事に励み、楽しい一日で、ありがたき幸せである。
幸せは幸せを呼び、不幸は不幸を呼ぶという絶対的な法則があると聞いた事がある。でも僕は不幸を幸せに変換する方法を知っているから大丈夫だ。
でかい音をみんなで出して踊ったり笑ったり、自分の不幸はネタにして文字や作品や表現にする事だ。不幸は只の結果で、幸せは永続的なものであるが故に、前者は書き換える事が可能だ。
という固い事を考えるのはほどほどにして、グッスリと寝よう。グー。
_02/23
今日は昼間から暖かく、渋谷の現場へ張り切って向かう。とても賑やかな場で、すこぶる賑やかな皆さんと楽しい時間を過ごす。
楽しい時間はもったいないくらいあっと言う間に過ぎて行く。今日を過ごした皆さんには一律どっしりと感謝を申し上げたい。ありがとうございました。
ハッスルが過ぎたせいで明日はきっと筋肉痛であろうから、脚とか揉んでグッスリと寝よう。グゥゥ。
_02/24
即日反映された筋肉痛に対し、一日遅れでこなかったぶん俺はずいぶん若いぜと前向きに捉える。今日はたいへん静かに仕事をして過ごす。だんだん寒さも和らいできて、そろそろ春も来る。
_02/25
最近、呑み過ぎだなと思う程、酒を呑んでいない。起床時に「人間失格だ」と思う程の、二日酔いの症状の中で最も辛いメンタルショックを味わっていない。すこぶる健全である。
不思議なもので、奈落の鬱状態のような心境の時は健全に憧れ、明るく健やかな時はどこかでメンタルショックを欲している。これは僕だけではないと思う。いや、どうだろう。
とりあえず、当面は元気に明るく過ごしたいので、今日あたりは明るい音楽を聴く。今はポーティスヘッドやレディオヘッドなど、ダウナー・ハイなやつは御法度だ。人は、手前の精神状態によって選曲の振り幅が大きく異なって面白いと思った。
最高潮に幸福な時、何の曲が合うか。
僕は何となくカーディガンズの「Carnival」だ。
死ぬ程死にたい時、何の曲が合うか。
何となくポーティスヘッドの「Mysterons」だ。
仮に双子ちゃんが産まれて幸せでどうしていいか分からない時。
何となくエイフェックスツインの「Fingerbib」だ。
人生の走馬灯が回る時、何の曲が合うか。
僕は何となくスティーヴィーワンダーの「My Cherie Amour」だ。
_02/26
覇気は充分にあれど疲れが溜まりにストックされていると判断出来るため、若干早めに仕事を切り上げて風呂に入ってふやける。
_02/27
何ともいそいそとした2月も今日でおしまいとは。ここ3日あたりの地味ないそいそが最も目肩腰にくる。
元気に運動したいのでバスケットボールの購入を検討する。近所で知らない人とバスケ絡みでバスケ友とか出来たら楽しいだろうな、という、一体どうしたのだろうと思う程の健全バスケ欲。
_02/28