ここだけ毎日更新。ツイートばりの短文日記。
手の腱やらを数日痛めた時の危機感。6月。
そういえば最近、エロい本が敷き詰められた自動販売機を見ないなと、ふと思う。ワンカップが買える自動販売機も見ないなと残念に思う。
乾電池が買えるやつも、避妊具が500円で買えるやつも、最近とんと見かけなくなった。俺は急に怒りがこみ上げてきた。やりきれない憤りである。俺はあれらの存在が好きだった。どう考えてもゆくゆくは淘汰されるであろう、その存在感が好きだった。
マンガ雑誌でも、俺が気に入った連載は10回くらいで連載終了となる事が多い。すぐに打ち切りになるであろう淘汰感を、連載第一回目に察して、第10話あたりで「最終回」となった時のあの切なさと「やはり」感。
そういった雑念にふけっていた訳ではなく、今日は急ぎでもない原稿書きをやたらと前倒しでやるという真面目さだった。
_06/01
今日もやたら原稿書きをして過ごす。手がしびれる。寝て治る。風の強い快晴の日。
_06/02
せん妄レベルの妄想癖を若干自覚しているからよく分かるのだが、誰かが何て事ない場面でニヤニヤしている時は、そいつは「妄想」にふけっていると判断している。
妄想している人間を傍から見ると、不自然にインサイドから表情が蠢く訳だから少々不気味なのだが、妄想はドーパミンという快楽物質を自生するものだから健康に良いのである。
イマジネーションのみで快感を得るなど、今流行の瞑想くらい崇高で健全である。
最近、仕事の関係の調べもので触れた「BL」なるものが若干気になった。少し調べただけだが、あれこそはハイレベルな「妄想」の成せる領域だと思った。
先述したが、妄想はドーパミンを促す。妄想を視覚化して共有出来るようにした「BL」という世界の作品などは、きっと健康に良い。
僕は「BL」を現実的な楽園世界というよりも、人工妄想的な非現実的楽園世界という風に捉えたのだが、それは、生々しい美しさを帯びた「BL」というものに、どれだけ密度の濃いイマジネーションが詰まっているのかという話になる。
海外では「BL」文化はさほど発展していないそうだ。恐らく、日本が世界一の分野だろう。日本人が世界的にみて健康的な民族なのは、妄想力に長けているからではないかと「BL」という概念を通して思った。これは凄いことだと感じる。人はどんどん妄想すべきであるという気がする。
_06/03
両手に疲労の痛みがあるのでちょいちょいと仕事をして過ごす。腹いっぱいラーメンライスを食べる。
_06/04
馬鹿野郎というくらい酒を飲んで過ごす。
_06/05
当然二日酔いだが、昨夜は皆さんと楽しくおしゃべりをして過ごせたので気分は明るく、コーヒーを多めに淹れて張り切って仕事をする。
スピッツをたくさん聴いて原稿を書く。中学生の頃「シゲちゃん」という、時代の一歩先を行く音楽趣味を持ったやつがいた。
やつは、B’zやWANDSやtrfなどが流行っている最中、ジャミロクワイやマライアキャリー、ダイアナキングやコアなレゲエにHIP HOPなど、「J-POPなど聴くか」と言わんばかりのラインナップをウォークマンで聴いていた。
「ミスチルの何が良いのか全然わかんねえぜ」と言う、やつのセリフは今でも覚えている。しかし、やつはスピッツが好きだった。
「シゲちゃんよ。ジャミロとかHIP HOPばっかり聴いてるのにスピッツはいいの? モロにJ-POPじゃんか」と、僕はある種の矛盾を突いた。
「うん。スピッツは良い」とのことだった。僕はその1年後くらいに洋楽漬けとなり、「J-POPなど聴くか」と言わんばかりのスタンスで割とコアな洋楽を聴き漁り、普通の音楽好きのクラスメートを得る機会を放棄していた。
でも、スピッツは確かに良かったという記憶がある。その理由とは何であろう。あれから20年以上経って、僕はシゲちゃんと一緒に原稿を書くように一人で机で過ごしたら上手い具合にまとまった。
シゲちゃんすげえな。
_06/06
休日なのでどこか散歩に行くことにした。
何の目的もない散歩は好きなのだが、飯田橋、神楽坂、早稲田と、曇り空の中ルンルンと長時間の散歩をしているうちに漠然とした虚無感に苛まれた。
理由は明確で、目的が無かったからであろう。人間は、フリーダムな状態を欲するきらいこそあるが、無目的という状態には堪え難き精神状態を引き起こすということを忘れていた。
「これから死ぬまで、金も生活も絶対に不自由しない暮らしが約束されるが、代わりに『目的』のいっさいを奪われる」という架空の状態を想像した。たぶん、誰であっても間違いなく気が狂うだろう。
怖くなってきたので、帰って別に今日やらなくても問題無い仕事を片付ける。すると安心し、虚無感も消えた。
だから、ふと「何の目的もない、ぶらり旅に出たいんだ」とか言い出す人間に対しては「こいつ死ぬつもりだ」と判断して、全力で止めることにしよう。
_06/07
雪崩のように仕事がくる。「自由、目的がどうの」ということを無制限に丸一日考えていたり、さっき古本屋でぶ厚いコンビニ版漫画の「代紋Take2」を2時間強は立ち読みしていた手前を、一律強かに引っ叩いてやりたい。
_06/08
思いっきり寝て、その他の時間は全部机にいる。超高額な旅館で海鮮舟盛りみたいなやつをオーダーし、芸者とエロい遊びに興じ、贅の限りを尽くしてみたい。そういった事を考えながら、ずっと机で仕事をしていた。
_06/09
胃薬を多めに飲んだらとても調子が良くなって、蕎麦は食うわケーキは食うわ鳥レバーを食うわの旺盛っぷりと、たいへん元気な一日だった。
_06/10
今日も元気に仕事をするのだが、どうも手の疲労が取れなくてちょっとピリピリ痛い。楽器を弾いたりは苦ではないので日々の大量タイピングが原因だろうも、あんな細かい作業でも案外くるものだと痛感した。
そうなってくると、外科医は凄いと思った。基本的にミスは許されない世界で、何時間もノンストップで繊細な手の動きを要されるし、修羅場では徹夜で何時間も立ちっぱなしな訳だろう。
これは凄いと思う。集中力の鬼だ。最近何度か外科医の方とお話をする機会があったのだけど、彼らが醸す静かな気迫はそういった面でとても納得できる。
彼らとマージャン勝負などしたらどうも勝てる気がしない。尻の毛までむしられるだろう。外科医くらいの集中力とタフネスと気迫が欲しいものだと思った。
_06/11
腱鞘炎にでもなったら元も子もないのでお休み。仕事を前倒しでやっておいて本当に良かったと思う。今日あたりまでに必ずやらなければいけない仕事は全て提出済だ。今日はPCすら開かない事にして外出する。
近所の不動産屋さんと道ばたで会う。彼は僕の2つ年上の、遊び好きのお兄さんだ。即座に車で拉致られ、ドライブをしながらおしゃべりをする。コンビニに行ったら煙草を1箱買って与えてくれる。僥倖である。
車内ではザ・ミッシェルガンエレファントが喧々と流れているので、「いいですよね。このバンドはいいよね」と言いながら90年代のロックンロールを楽しむ。
「君はミッシェルのギターの人に似ていると前から思っていた」と不動産屋さんが言う。僕は「まじすか」と、まんざらでもない気分になる。
しかし、アベフトシのギターサウンドこそ明確に覚えているが、風貌は全く覚えていないので帰ってググる。華奢でどこか反抗的な物腰は、確かにそうかもしれんと良い気分になった。
他の方がどうなのかは知らないが、僕は昔から、誰某に似ていると本当によく言われる。それが、今回のようにアベフトシさんやら素敵な方なら嬉しい訳だが、たまに「元カレにめっちゃ似てる」とか言われても対応に困る。
あれはどういうつもりであろう。
_06/12
梅雨らしくしっとりした天気。両手の神経だかがピリピリするのが気になる。薬局の貼り紙に「湿気は痛みの天敵」とかいてあったのを見かけたが、あれは何でであろう。とりあえず酒で散らそう。
_06/13
日中は酒で散らす訳にいかず、手のピリピリ感が気になり、シフトキーやらをそっと叩く。疼痛みたいなジワジワくるストレスに勝るものはないかと考えた挙げ句、控えめに仕事をして過ごす。
_06/14
ジャンバラヤ弁当を買ってきて食べたら、お隣さんからよく漂ってくる匂いと同じ香りがする。国籍不明の隣人はどうやらスペイン人かアメリカ人とみた。
悪化こそしないものの、最近の手のピリピリ感と疲労感はジワジワどうにも辛抱たまらず、サロンパスを貼りまくってテーピングしたところ、案外気にならなくなるので仕事が捗る。
村上邸で夜遊ぶ約束だったが、当人が多忙の為にまたの機会となる。つまらないので一人でギターを弾いて遊ぶ。よっぽど「弾いてみた」と称して動画でもSNSにアップして戯れようとしたが寸止め。
_06/15
昼間ギターレッスンに行って、何となく赤羽区民会館の図書館に寄る。ふだん手に取れないような超でかい画集を眺めシュルレアリズムに迫り、どうぶつ図鑑を眺めてネコ科の進化に感服し、人相の本を眺めこの世は悪人ばかりだと思いながらしっとりと過ごす。
机が並べられているお勉強コーナーは様々な年齢層の人たちで静かに賑わっていた。ノートをとりながら学習しているピチピチの子や、小説を読んでいるいなたいシニアや、びっしり小さな文字をひたすら書いている血気盛んなサイコさん。とても賑やかでけっこうだと思った。
中でもキラリと光っていたのは競馬の予想をしている真面目なとっつぁんだ。俺は彼を賢いと思った。図書館は雑念邪念をシャットアウトし、集中して賭博勘を発揮するにはうってつけの場所である。
「その熱意を他に向けたらどうだ」という、賭博者に対するよくある正義じみた意見があるが、それは野暮である。俺も尻から煙が出るほど賭博に熱を上げていた時期があったものだからよくわかる。
真剣に賭博に勤しむ輩は仕事と賭博行為を倒錯しているのだ。仕事に向けるべく熱意を賭博熱に変換させるという異常性癖。それは、対象に替えはきかない。勝敗ではなく、その過程で真剣になれるのが快感なのだ。
彼は仕事のノリで競馬新聞に赤ペンチェックを入れているはずだ。だから頑張れとっつぁんと、シワだらけのスーツのやさぐれ切った背中にエールを送る。仕事の合間に3時間も無造作に本を閲覧している俺の方がよっぽど不真面目である。
その結論に至ったので、急いで帰宅して机仕事に勤しんだ。99%勝てる博打の積み重ねでお金を稼いで、ささやかな夢を達成し、ふかふかのネコを飼って幸せに暮らすために頑張ろう。だからとっつぁんも競馬頑張れ。
_06/16
休日なのでのんびりと消耗品などを買いに楽器店に行き、蕎麦をたべて、ブラブラとして過ごす。両手のピリピリが治ってくる。ほんと良かった。
_06/17
たいそう長時間仕事をして視神経やらがくたびれて、目がチカチカして視野がサイケデリックになってくる。
4時間くらい働いてタイムカードを押したら、トースターみたいに1万円札がヒュッと出てくる、という勤務体制だったらどれだけ素敵か。そう思う。
ヒュッ。
_06/18
両手の謎ピリピリ病がほぼ全快したので今日もはりきって長時間机で仕事をする。今日あたりはタイムカードから3万円くらいヒュヒュッと出てきそうだ。
しかし、当然わかってはいるが、そんなドラえもん的な妄想タイムカードなどは存在しないのである。実にざんねん。
_06/19
俺は金のために仕事をしているのではない。では、なんのためだ。そう考えながら机で仕事をすると捗る。
実際は誰しも、仕事とは便宜上、お金や生活や、各々のやりがいだの、人様のためだのお国のためだの、女房のためだの、仕事は「何かしらのため」だという大義名分があることが、さも前提のようになっているが、俺は、ただ時間を過ごすためだけのルールという気がしてならない。
終日一人で仕事をしていると、こういったクサクサしたことをとにかく考えがちなので、脳をほぐすという名目で、さっき買ってきた酒を2本呑んでグーンとのびをして寝よう。
グーン。
_06/20
本格的な雨ふりであったが、体調、気力、覇気がすこぶる良好な梅雨日。きっと、さいきんは意識的に8時間は寝ようと務めているのが効いていると思われる。
こんな簡単で基礎的なことをちゃんとするだけで、こんなにも違うとは。というくらいおかしな感じがない。今日も少しだけ酒を呑んでからピーンとのびをして寝よう。
ピーン。
_06/21
今日だって調子がとても良い。きちんと8時間寝たからである。通常運転という日をせっせと暮らす。気がつけば夏が近い。私は夏生まれの夏男である。夏が最もモチベーションと活力に満ち、なにしろ旺盛な時期なのである。みんなそうみたいだが。
_06/22
足立区千住のあたり3カ所に用があったため、昼イチからその下町界隈を歩き回る。夏のような熱さで溶けそうになるが、両津勘吉が出てきそうな下町の雰囲気を夕暮れまで楽しんだということにする。仕事はお休み。スカイツリーなんかを近場に眺めつつ、何かとよく歩いた日。
_06/23
2食と蕎麦を食べる。昼に食べたのを忘れて夜も蕎麦を食べる。又平氏が最後のライブとのことなので観に行く。時間に間に合わずラスト2、3曲しか観られなかったが挨拶に行けてよかった。やり切った様子でよかった。
_06/24
仕事がそこまで詰まっていないというちょっとした安堵感と渇望感。楽器練習や長文を書く練習をコツコツとする。
どこからが長文というのは人によると思うが、少なくとも「長文失礼しました」というレベルでは済まされない長文をひとつ書きたいと思っているが、とても難しい。
僕がここにいつも書くのはだいたい平均して400字くらいだろうか。原稿用紙一枚ぶんくらいだと思う。ヤホーとかのネット記事などは1000字前後が主流のようだ。
音楽評記事みたいなやつやライブレポートなんかは1500〜3000字くらいで、長めのインタビュー記事は1万字くらい。短編小説は5万字くらいだろうか。
だからここはひとつ、5万〜10万字の長文で成り立つ文章を書きたいわけだが、これが難しい。作家さんというのは凄いんだなと思う。だから素敵な本を読むと「長文ありがとうございました」という気持ちになる。
これで400字詰め原稿用紙ピッタリ一枚分の文字数。
_06/25
レッスンの日だったが、あと倒しになり時間が空く。じゃあ最近やっていなかった販売音源のアップロードでもしようかと、出来ている楽曲をMIXし直したりして過ごす。
さくさくと3曲終えて、夕方に役所へ一用事済ませに行く。なんだかくたびれたので、併設の図書館で中島らもの本を読んでのんびり過ごす。
小説家でミュージシャンで劇団もやって、放送作家などもやっていたというこの人の生き方に僕はとても憧れる。酒や薬で年中ラリっていたというあたりも憧れるというか自由でいいなと思う。
やりたい事をだいたい仕事にして過ごすという生き方は、僕が20代のころにはなかった発想だ。
でも、ここ数年で急にやりたい事が増えて、何か1本の職種で生きて行きたいとは思わなくなった。ありがたくも、いくつかをを仕事として正式に扱ってくれる方々に恵まれ、ちょっとくらいは中島らもさんに近づけているかもしれない。
薬はアレだが、酒でラリるのはほどほどに、色んな事を仕事にしていけば、中島らもさんのような楽しい作品がたくさん作れるかもしれない。
そういう事を考えながら、ほとんど休みのような日を過ごしたが、こういったメンテナンス的な過ごし方もたまにはいいんだぜと思う。
_06/26
終日しっかり仕事に励む安心感。昨日ゆっくり過ごしたせいで、たいへん馬力がありあまっている。
馬刺を肴に数人と小汚い居酒屋で品のない討論をしたい欲は常にある。が、できれば、もう二度と口にすることは出来なくなってしまった“レバ刺し”をアテにしたい。
互いの人生論や、ディープな性の話やらに花を咲かせ、譲れないポイントを各々露呈し、それらは正面から衝突し、ヒートアップし、やがて口論になり、手が出る寸前で追加注文のジョッキがガチンと到着し、「お姉さんはどう思います?」という問いに、妙齢の店員が悟りの一言でその場を鎮圧させるという、場末の居酒屋によくある空気に浸りたい。ささやかな欲。
_06/27
引き続き、終日仕事をしてつかれる。疲れてくるとPC画面がチカチカビカッとまぶしいので、原稿を書く仕事は原稿用紙に書くというスタイルにしたいが、データ送信の関係でそうもいかない現代。
でもPCが無い時代はきっと逆のことを思っていたのだろうも。今日あたりも予定通りやりおおしたので、買ってきたブリカマをムシャムシャペロンと食べて酒を2合くらい流し込んで寝よう。
ジャバーッ。
_06/28
事務的な事ばかりやる。お腹の調子がよろしくなかったが、ジョアを飲んだらなかなか良くなる。仕事をして、淡々と過ぎていった日。
_06/29
たいへん事務的な、各サイトの更新や調整や新規作成やらで一日使う。宵にホリ氏が参加するというライブに行こうと思っていたが叶わず。
誠に遺憾な旨をLINEでピロンと伝え、何だか昨日も今日も娯楽的な事がひとつもねえなと梅雨の湿気の不快感と共にだんだんイライラしてきたので、開放感を得るために上半身裸でデスクワークをする。
そんなんでスッキリするはずもない上に蚊に容赦なく噛まれるわ背中はチクチクするわという事で着る。ひととおり仕事をやりおおし、娯楽などいらん、酒を呑んでやると思う。
酒は娯楽かといえばそうではないかもしれない。儀式かと言われればそこまででもない。なんというか只の麻酔だ。
_06/30