ここだけ毎日更新。ツイートばりの短文日記。
42歳の宴を賜り喜悦を一気に流し込む。7月。
営業開始前の時間に業務端末に着信あり。おおこれは月初から新規顧客か、幸先いいぜと、ホクホクと折り返すも「ほかに頼んじゃいました」とのことで、ぐぬう取りこぼしたかと一喜一憂。
「――ワシらは常に新規開拓せにゃアカンのやで。なあ、灰原くん!」という、『ナニワ金融道』に登場するえげつないパンチパーマ上司キャラの台詞が頭をよぎる。本当にその通りである。こぼしたが、まあ反応が増えてきたということで俺は前向きに捉えた。
月頭なので制作等の収益の集計をとる。よしよし、伸びている、伸びてはいるがやはり徐々にだなという毎月恒例の所感。
伸びてはいるのだから、突然バズるというホームランを過度に期待せず、やはり地道にコツコツ積み上げる姿勢だなと、「積み上げた者にのみ、明日が来るんだ……!」的な、『賭博黙示録カイジ』に登場するブラック企業重役キャラの台詞が頭をよぎる。そうですよねと、積んではいるつもりなのですがねと、とりあえず納得してエクセルを閉じる。
どの源泉も、もう一桁づつ増えれば俺は「これはもう法人化しちまおうか。くは」という憧れの段階まで進めるのだがまだそれは。
そういったわけで今日もコツコツ制作をする。真顔でタンバリンやシェイカーをチャカチャカシャッシャと振ってレコーディングする。
少しずつでも、進んでいる実感は、個人的には精神衛生上最もよろしい。そのような、熱暑ながらもわりと元気な夏の序盤。
_07/01
バンバン依頼が来てはくれんかなと、営業をしたり制作をしたりして真面目に過ごす。合間に、復活した青汁王子のYouTube動画などを観たりして過ごす。
容赦なき激暑気候でわりと体力を持っていかれているのか、やたらと腹が減るのでオリジン弁当のでかいおにぎりを2つ食う。夏っぽい惣菜をと、ゴーヤチャンプルの炒め物も摂る。
しかしメインのはずのゴーヤが3枚くらいしか入っておらず、やや寂しい思いをしたが、豆腐に卵に肉に青物と、やたらと栄養がありそうなので少量でもよいかと、しっかりとした食事をして整う。
着手中の制作曲の鍵盤パートを入れ、スティーヴィー・ワンダー的なソウルという理想に近づいてきた感触を得て気を良くする。
仲間に誘われたライブを観に渋谷に行きたかったがニアミスで行けず。それは仕方がないのだが息抜きがてら行きたかった気持ちはある。そのような通常運転の1日。大声で「ツモ!」と歓喜の声を上げられる日を見据え、少しづつ着々と積み続けたいもの。
_07/02
どうにもライター案件の方が寂しいことになっているので工夫する。メニューを出しているプラットフォームにブログ機能があったのでそいつを書いてみることにする。
手前が出しているメニュー、たとえばコラム記事や考察記事、インタビュー記事などを作成するメリットをブログで書いてアピールするのである。
ライターがネットで営業する際はみんなやっているのかなと、そんなことを考えながら、久しぶりに「ですます口調」の文章を書いて置いておく。
先月、この方面から1件受注および入金までいったのでもうちょい伸びないかなという動機のムーブ。足を使っての新業務の営業も大切だけど、やはり現代においてはネット上での集客も大事だなと、やけに丁寧な文調で1記事書く。
これでいくつか書いてしばらく様子を見て、まあまあ食いついてくれたらルーティーン化しようと思う。そのブログが直接的な収益とならなくとも、案件に繋がるならいいなと。幸い、ブログを書くのは全くもって難儀ではなく、むしろ楽しく書けるので時間さえあれば毎日でもいける。
実にコツコツが続くなという肌感なのだが、このまま年老いて、実るまでいかなかったら遺憾だなという懸念もあるが、コツコツやりつつ暮らせていけるのならそれはそれでいいのかなとも思う。
とはいえ華開きたいという気概もあるので、ここはひとつ、春あたりに神社で読んだ手前の今年の運勢のポイントらしい“地固めの年、来年から飛躍するための地道な種蒔きがキーとなる”的な概要を信じることにする。
憧れの段階である、手前に来る業務を手分けして複数人数で仕事を一緒にやるというところまでまず行きたいなと切に思う。
近場に事務所をおき、週5とかでそこに何人かいつも集まって、「おはようございます」だの「おつかれさまです」だのと、そのような場所を構えるべく事業展開がしたい。
まあまあガヤガヤと楽しげで、2匹くらいネコも常駐している事務所設立。とても憧れる。それは本当にいいなと、到達する前提で妄想する。エサやり係のシフトも組んだりして、さぞ日々に張りが出るであろう。それくらい、日々、人と会話する機会が少なすぎてちとさみしい。
_07/03
あいや今日は依頼が来ないなと、営業から帰ってきてしばらくし、夜はサイトを更新する。ネットでの収益の方も、少しでも稼ぎを増やしたいなと、PCに張り付く。
なぜか止まらなくなり、4、5時間くらい通して作業していたらなかなかくたびれる。しかしここは、集中力が高まっていると良い方に捉える。
なにも一気にやらんでもいいのになとも思ったが、着手までに使う、あの謎に重いギアがかかったらそのままトップギアでグーンと行った方が効率がいいなと、結果よしとする。
ノンストップでやったものだから久々に肩やら首やらが凝る。酒でふやかしてから寝よう。冷蔵庫でここ数日スタンバっている「ほぼカニ」が今日、賞味期限を迎える。そのまま食うか、火を通して食うか。運命の分かれ道。
ともあれ腹を痛めるリスクをとることもないのでオリーブオイルとニンニクで炒めて食おうかと思う。思いのほか美味な肴に仕上がることに対し、期待の意を禁じ得ない。
_07/04
リピーターの顧客さまから夕方ワン切りあり。あれおかしいなと、タイミング的には依頼であろうと、何度も折り返すも不通。
ああそうか、でかい通信会社がここ数日焦っている状況の影響かと、とりあえず赴いてみたところ、やはり依頼の件で「電話が通じないので直接来てくれてよかった」とのことであった。
俺の業務端末は件の通信会社ではないキャリアなので、別に問題ないとタカをくくっていた。しかし、かける側がその通信会社の回線を使用していたら、それは俺にかけられんなと納得。
さては、ここ2、3日依頼の電話が鳴らなかったのはこの影響もけっこうあったのかと、決して本当にアプローチがゼロというわけではなかったのではないかと、そのように考えることにする。加えて、そろそろ電話以外でも依頼ができるような窓口も増やすべきだと案を練る。
手前などは通話ができなくてもメールやLINEなど、様々な連絡方法があるから特には困らなかった。しかし、新事業においての顧客様のように、ご高齢者となるとLINEやSNSをいっさいやらないという方は少なくない。そうなると今回の件は相当でかかったのだなと振り返る。
いつも当然のように使えるものが急にストップするとさぞかし狼狽するであろう。俺だっていきなり水道や電気などのライフラインが止まったら血の気が引く。
20代の頃、ギャンブルで負けすぎてガチで電気を止められたことを思い出した。あの絶望感たるやたとえようがない。今考えると、どれだけやられれば電気代が払えなくなるのかもはや思い出せない。著しく頭がイカれていたなと、そのようなこともセットで回顧するイレギュラー含みの3日間。
_07/05
西川口の純喫茶「アルマンド」へ行く。ここのマスターである叔父に定期的に会いに気がてら、ほぼほぼ毎回タダで珈琲を飲み散らかすのが年に数回のルーティーン。
叔父は81歳とは思えんほど肌ツヤがテッカテカで元気そのもの。世間話をしつつ、16時になると界隈では定例らしいラジオ体操が始まったので外で参加する。イチ・ニッ・サンと体をほぐす。
モカのストレート珈琲2杯とシフォン・ケーキを頂き、金を払おうと差し出すと叔父は「いらないよっ」と言って聞かない。
血が繋がっているからよくわかるのだが、こういう時「いえいえ、そういうわけには……」などと常識人ぶって食い下がられるのは逆にイラリとする。だから「そすか!」と、笑顔で感謝を述べ、速攻で銭を引っ込める。
前回は確か払ったからいいかと、叔父やお店の方々と触れ合って精神的に健やかな気分を引っさげつつ、ほっこりした小一時間だったなと嬉しむ。
小一時間というか、正確には1時間以上は居たから「大・一時間」という表現の方が正確かなと、しかしその字面だとウンコに1時間かかったような印象になりかねんと、それは不本意であるからして――などと、そのようなことをああだこうだ考えながら、ブックオフおよび近場の楽器屋さん経由で帰宅。
ベースの弦たるや何故こんなに高額いのかなとか思いながら弦交換をする。メンテをする。練習やらをする。脂っこいメシを食う。だんだんと謎に鬱っ気がボヤッとキュゥゥとドロッと纏わりついてきたのでソファに避難する。青汁王子のYouTube動画を流しっぱなしにして数十分くたばる。
ああ、俺も彼のように、稼ぐことにもたいへん長けた感じになりてえなと、すこし覇気が出たのでDAWを開いてミックス作業をする。だんだんと思い描いていた音像のイメージに近づいていく。
これは収益のタネとなるのだからなと、音楽コンテンツ制作という資産形成だよなと、前向きな気分になってくる。
昨夜は1週間ぶりに9時間は寝て、酒も呑み過ぎず、気力体力全回復のはずだがグラグラするメンタル環境。いくつになってもこれはどういうことなのかと、手前の脳やら魂やらに問いただすように考える。
すると、「そういう仕様の生き物なんじゃないですかね?」というような答えが返ってきた気がして、そういうわけならむしろ自然なのかなと、あまり深く考えこまないようにする。これが意外と難しい気がしてならない。そういう時は漫画でも読んで頭カラッポにして健やかに寝よう。
_07/06
クソ暑くない程度のたいへん上品な暑夏といった気候ではあるが、どうも気分がクサクサするなと、頭の中のなんらかの神経伝達物質のネットワークが輻輳しているような、滞っているような、言い表しがたい心境でお出かけをする。
元同僚たちが定期的に集う遊びに顔を出すが、表面上は楽しげにできるもどこか、どこか、といった所感。
この謎な精神状態はなんとかならんかと、俺の心の恒常性たるやどの辺なのだと、今日あたりは食欲もねえなと、こうして少しづつ朽ち果てて行ってしまうのだろうかと、寂しげで空っぽな気持ちでストラトキャスター・ギターの弦を変え、練習をする。すると、だんだんと何かが巡ってくる。
よしよしやはり演奏は良いなと思い、駅前に向かい350円のたまごうどんをオーダーする。目の前にドンブリがズイと差し出されるまでは「別にさほど食いたくはないのだが」といったテンションであった。しかし、一口麺をヌポッとすすると何と美味いことか。
食後に俺は思わず、カウンターにドンブリを上げて「ごちそうさま。美味しかったです」と、店員のマダムに感想含みの挨拶をして帰宅。
さっきまでの通り雨が嘘みたいに綺麗な気分、とまではいかないが、なんか普通なフィーリングに戻ったので少々ソファで休んだ後、ミックス作業をする。たいへん捗り、おしゃれなソウル・ミュージックが完成に向かっていく。
今日あたりは酒も呑まず、デトックス的に体内を調整しようかと思った。酒は、肝臓や腎臓や膵臓やらの臓器のみならず、やはり脳にも負担をかけており、それが気分にも左右されるのではないかという仮説所以である。
しかし、定期検査などで医師に判断して頂く限り、俺の「酒・消化班」のメインとなる肝臓やらの数値はめちゃめちゃ優秀。しかし、脳に関しては、どれくらいダメージが蓄積しているのかわからないのである。
とはいえ呑みたいのに無理して断ち、それがけっこうなストレッサーとなるくらいだったらやはりちょっと呑もうと、最近は二日酔いに達する量を呑んでいないことだしと、いつもの酒呑み思考回路が活性化される。
ではということで、いつもより少なめにしておこうという案を可決。今日あたりはそれくらいがベストかなと、何度でも記すが、酒呑みは、酒を呑むための言い訳は無限に出てくる。
_07/07
やっぱ酒少々だと体調もそのぶんいい気がするなと、嗜好品はほどほどが一番だなと、健やかな気持ちでスタジオに向かう。興行のリハーサルをして過ごすところから始まる1日。
みなさんも俺も、思っていたよりスムーズに進み、ああさすがだなと感じていた午後、信じがたいニュースが報じられ、とても悲しい気分になる。食欲が失せるほどのショックすらあった。
新事業の依頼を1件受け、業務をして、夜は制作をする。着手中の楽曲が仕上がり、楽譜にタイトルをつけ、よし出来たとなる。
着々と流れる日々もあれば、突然、となってしまうこともあるのだなと、改めて考える日。
_07/08
営業エリアを広げようと、バイクを買った場合に攻める予定だった地域に試しにチャリで行ってみる。
意外と11分で着いたのでチャリで十分じゃねえかと、雨が降ったら原チャリ時代に装備していたカッパを着れば済む話ではないかと、ぜんぜん行けるぜと、住宅街と周辺を調査する。地域センター的な所に入り、係のお姉さんに根掘り葉掘りこのへんの高齢者事情を聴取もする。
きさくな方で、いろいろな情報をくれた上に手前の業務の応援までして頂けた。ああ温かいなと、引き続き歩き回ったり団地の最上階に上がって広く高い目線で敷地内を見たり、おばあちゃん3人組に話しかけて「これこれこういったサービスで、このへんどうかと――」と、アプローチしたりする。
おばあちゃん方はなかなか食いつきがよく、各人にチラシをお渡しすると「とっておくわね」と、丁寧にたたんでしまってくれた。
そういったわけで、帰宅して情報を整えてドキュメント化し、来週からエリアを拡大する絵図を描く。
夜は、昨日仕上げた曲を精査するように聴いたら、出来てはいるのだが一聴して「なんか違う」と感じたので3、4時間くらいかけてブラッシュアップする。結果、理想的な温かいおしゃれ感のあるソウルが完成する。この執拗なこだわりがユーザー様に利便性を伴いつつ伝わればいいなと切に願う。
意図的に酒量を抑えている昨今、具体的には2合いかないくらいで寝る、という塩梅が功を成しているのか心身ともに調子が優れている。
これは、しばらく呑まなかったらもっとハネるのではないかとも思うが、ほどほど呑んでいるくらいが絶好調なのかもしれんと理由をつけ、今夜も缶酒を買いに行く。たぶんほどほどが一番。
_07/09
やはり酒はほどほどが最適であると実感するほど心身ともに快調な起きがけ。興行案件で隣町の会場へ。アーティストのSPALさんの企画イベント第二弾である。
俺は、スタッフ兼、オープニングアクトの演者として赴く。前回同様フロントでの演奏と相成り、ううむ緊張するなと楽屋でそう口にもしていたが、この間のアコースティック編成ではなく、今回は3ピース・ロックバンドセット、すなわちニルヴァーナ・スタイルなのでそこまでガッチガチにはならず楽しく演奏する。
ドラムとベースがセッションをしつつ開演となり、最後にボーカルが出てくるという、ライブの時のレッチリ的な入りでスタートする。
ということで俺はレッチリのアンソニー・キーディスの真似をして、意気揚々とステップを踏みながら軽くクルクルと回りつつ定位置に付くというアクションで臨んだのだが、きっと何の真似だか誰も気づいていないかな、あいやスベったかな、などと思いつつもそこは全力でギターを弾きつつ歌唱する。
終わってみれば名残惜しさもありつつ、楽しかったなという爽快感を得る。観てくださった方々に楽しんで頂けたか、そうであったら何よりだなと、そうであってほしいなと、その後は各出演者様方のステージングを観つつ、ううむ勉強になるなと、イベント終了まで会場で過ごす。
そのように、みなさまと楽しく、音楽をメインに過ごさせて頂けた幸福な夏の良日。
_07/10
昨日ライブではしゃいだことが功をなしたか気力・体調共に良好。張り切って営業するも面と向かって思い切りクレームをくらう。
いつもなら「は! 失礼いたしました!」と、秒ですみやかに引き下がるのだが、今日は元気すぎてまず20代の頃くらいのエネルギー量の怒りがグワッと湧いてくる。しかしここはいい大人。もちろん冷静に対応してさっさと尻尾を巻く。
営業にクレームはつきものだよなと、むしろ相当少ない方だからもっとガンガン行くべきかななどと、全然気にせずに行動する。
制作をしていて、長時間ムキになってギターを弾いていたら手首が悲鳴を上げる。元気すぎての過活動、躁転、血圧の上げすぎと、いろいろな捉え方はあるが活動的でいいじゃないかと手打ち。元気が一番。
_07/11
今日もやたらと元気なのでルーティンの起きがけ一人朝礼の声がでかい。いつだったか、「俺は起きてシャワーを浴び、まず鏡に向かって一人で朝礼をするのだよ。『はい! 今日なんですけど!』みたいにユーチューバー的な勢いでここ3年ほど毎日な」と、笑ってくれよと言わんばかりに友達に吐露した。
しかし友達は意外や意外、「それはなかなか習慣として――精神的にもよくて――」といったような内容の感想を言葉にしていたのが印象に残る。普通の人に言ったらきっと「なんすかそれ? ははっ」と、サッと横を見て失笑されることであろうがやはり実業家ともなると解釈の角度がワイドで深い。
そんな友達と今日は昼間一緒に作業をし、しゃぶしゃぶを食らう(おごってもらう)。楽しい時間だったなと、夕方送ってもらい宅でデスクワークなどをする。
ああ、これくらいの時間になって電話がこないとなると今日は新業務の依頼はねえなと、DAWを開いて制作をする。ギターを録音して楽譜を書き、ミックスの工程のけっこういいところまで進む。ドラムがめちゃめちゃ生っぽく調整できて幸せの笑みすらこぼれる。
窓の外の大雨の音と共に日が閉じる。こうなってくると、1日の最後に「そういったわけで今日はですね――」的な締めの終礼も習慣づけようとか思うがそれはさすがに疲れそうだし雑になりそうなので棄却。そもそも日記自体がその日の終礼の役割もある気がする。
他の人が「朝礼」と「終礼」をどれくらい行なっているのか、わりと気になる。人それぞれのスタイルで結構やっている人はいると思っている。
そういった方を見つけたら俺は是非「朝礼勝負」をしたいところである。どれだけ威勢良く、その日のタスクやらについての意気込みを言語化し、鋭気を生じさせるかが勝負のカギとなる。傍から見たらちょっとした催し物と映るかもしれないというかシュール。
_07/12
免許の更新のため、最寄りの警察署に向かう。しかし受付で「赤羽署ではやっていません」と、門前払いをくらう。
はははうっかりさんめと案内のハガキをよく見ると、最寄りでは板橋署のもようなのでそちらに向かう。
そう、府中やら鮫洲やら、やたら遠い試験場まで足を運ばずともよいのである。念願のゴールド免許に更新できる権利を得たので警察署でちょいと講習を受けるだけで済むのである。
20代、30代と、俺は交通社会不適合者である証拠として、常になんらかの交通違反を犯しては講習やら罰金やら免停やらと辛酸を舐め尽し、夜な夜な壁に頭を打ちつけながら「何でだ! 何故なんだ!」と、大声で自問自答をしては日記を真っ黒に染め上げていた。
まあそれは少々脚色が加わっているが、違反の内容については幸か不幸か、事故や人を傷つける類のものはいっさいなかった。だいたいは、右折禁止区域特攻やら、赤信号無視、ノーヘル、運転中の携帯通話、違反路駐、などなど、いかに手前が間抜けかを晒しあげるような類の数々。
ああ、あの頃はどうかしていたなと、ちゃんと交通ルールは守らないといけないなと、ひとつ上の男になったようなツラをして板橋署で免許写真の撮影をする。30分だけ講習を受け、あっという間に更新は済んだ。違反者講習や免停講習などとはえらい違いである。
3年前の免許写真と見比べてみる。うん、ハゲとらんなと、そんなに老け込んでもいないかなと、歩きながらそのようなことをブツブツと呟く。
次の更新は5年後である。どんな心境なのだろうか。無事、ゴールドでまた更新できるであろうか。ハゲとらんだろうか、仕事は上手くいっているだろうか――などと数年先の未来を想像する。
そうなってくると、免許更新というのはなかなか感慨深い側面もあるなと思った。だから、ただ映像を30分観るだけの講習ではなく、集った人たちで「この3〜5年、どうでしたか?」的な発表会でもすればいいのにという妙案が出た。
「一度、後ろに覆面パトカーがいた時はドキドキしました。すぐにスマホから手を離しましたもの」
「一時停止のビタ止まり加減で警察官と口論になりましたが、いやあ、なんとか見逃してもらえましたわ」
「3年間、筋の通ったいい子で過ごし、42歳厄年、晴れて人生初のゴールド免許と相成りました」
「パチパチパチ」
などと、様々なエピソードが出ては皆できゃっきゃとディスカッションができて意外と和むと思うのだが、そんな講習はまず、やってはくれんだろうも。
_07/13
いつだったか、「その人の部屋の本棚と、もしあればCDの棚を見れば、だいたいのパーソナリティがわかる」的なことを記した気がする。
それに似ているのだが、今だったら、「その人のデバイスで見られるYouTubeのおすすめ動画に上がっているコンテンツを見れば、その人が今何にフォーカスしているのかがだいたいわかる」という点があるのではないかと思った。
手前のPCでYouTubeを開いて見てみた。すると、青汁王子や与沢翼さんやホリエモンなどの実業家系のチャンネル、ブレイクコアなどの少々マニアックなテクノのチャンネル、メンタリストや岡田斗司夫さんなどのチャンネル、ネコさんチャンネル。あと、下のほうに鳥肌実氏の演説動画が散見されるといった感じであった。
これを客観的に見ると、「ああこいつは今、金稼ぎとかに興味があって、音楽の趣味はマニアックで、サッと得られる知識をわりと欲していて、ついでにネコが好きなんだな。あと、一時期は鳥肌実に激ハマりしていたんだろうも」となるであろう。少なくとも、最近の俺自体に対する分析としては合ってる。
YouTubeのおすすめ動画に何が出ているかでその人のトレンドがけっこうわかる、という仮説がまあまあ間違っていないとしたら、案外怖いところもあるなと改めて感じた。ネットの検索エンジンの履歴を直で見られるくらいなんか若干の抵抗感があるなと。
AIのアルゴリズムは、わりと人のセンシティブなところを丸裸にしてくれる気がしてならない。だから、たまに全然興味のないのを観て混ぜておき、はぐらかそうか。そこに何の意味があるのか。
_07/14
新たな場所に営業に行き、帰宅してライター案件を1つやって提出し、残りの時間はずっと制作をする。新たに1曲仕上がる。
その間約12時間ちょい、昼寝や休憩らしい時間をとらず、寝不足気味だったのだが気力、体力、精神力、集中力全てが途切れずに活動をする。
おやおやどうしたことか、元気があっていいじゃないかとも思うが、ここ数日そんな調子なので何でかなとも思う。これくらいがデフォルトだと生産性爆上がりなのだが、手前では軽い躁転を疑う。
メンタルヘルス的な捉え方だと、鬱状態がわりと多く、たまーに軽めの躁状態になる「双極性障害II型」というやつを思い出す。俺はまあ、たぶん違うと思うが。そういった判断ができるのは、自分でもネットのなんちゃら診断やらテストやらではなく、医師の診断のみである。
そんなことを考えつつ、なにしろ元気があるぶんにはいいじゃないかと、むしろこれがデフォルトであって、ここ8カ月近く謎に塞ぎ込みがちな気分がクソ長く続いたのがイレギュラーだったのであろうと前向きに捉える。思えば、本厄の年の一番の難関だった気もする。
第一、めしも食わずに半日以上もDAWに貼りついたり、3、4時間ノンストップで原稿を書き続けるというのは日常的によくあった流れ。そう、ここ最近の調子が普通なのであるとリマインドする。
人間の精神状態というのは水の如くどう流れるかまことわからん。セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミン、GABAなどの脳内神経伝達物質のバランスが可視化されるツールが出来るのはまだだろうか。俺はあと10年もかからないと読んでおり、心底期待の念を寄せている。販売に至った日には、俺は10万円まで出す。
_07/15
だいぶ伸びてきた髪が湿気でたゆんとなる。ここはひとつ、パーマでもあてようかと一瞬思うが、変にかかりすぎてジミヘンみたいになりそうな気がしたのでやめておく。
今日は案件も依頼もねえなと、営業をして制作をしてと、せっせとタネを蒔く。ずっとDAWに向かってなんやかんやしていたら、ここ最近の過活動気味のムーブがさすがに体にきたのか首やらが痛い。久しぶりにソファで小一時間昼寝をする。
たまにあるのだが、寝に入る境界線やら臨界点やら、そういった感覚の時、目は閉じているが意味のわからない幻覚のようなものが頭をぐるぐるする。これがけっこう面白い。そのイメージを絵として具現化できたらさぞ傑作であろうというほどである。
ペルーでアヤワスカの汁を飲むという儀式に参加したら、きっとこの感じの何倍ものサイケデリックさが体験できるのかなとふと想像する。
いつかは地球の裏側まで行ってそういったアメイジングな未体験にチャレンジしたいなと、自宅でカタカタと鍵盤を叩いてはネタ出しをするという真逆のことをする。そのような、当然の如くぶり返した戻り梅雨の濡れた1日。
_07/16
早めに目が覚め、やはり今日も元気である。というかこれがデフォルトであると鏡に向かって手前に言い聞かせる。
制作に対する意欲がみなぎるので口笛ソングを作る。しかし肝心の口笛パートが上手く吹けんので次第に唇がプルプルしてくる。本録は最後にしようと口笛のラフ・トラックだけ置き、アコースティックギターとベースとパーカッションを録音してアレンジを固めていく。
以前も1曲、口笛ソングを作って公開したところ、ありがたくもけっこう食いつきがよろしかったという所感だった。そこで味をしめたというか、こういった曲は受けいれられやすいのかどうかの検証も兼ね、もう一丁いっとこうという動機でもある。口笛ソングには謎の訴求力があるという持論のもと懸命に制作するも進捗50%あたりで疲れ果てる。
なんでもラジオ局のJ-WAVEでは、「イントロに口笛を入れておけば、その曲は高確率でJ-WAVEでかかる」という。そのような感じのことを、クリス・ペプラーさんが今日も仰っていた。
確かに、2006年あたりにスウェーデンのピーター・ビヨーン・アンド・ジョンというバンドの「Young Folks」という曲がかかりまくっていた。あの、口笛のメロディのピッチ(音程)が微妙に外れているのがいい。
やろうと思えば音程をデジタル修正することも当然できる時代なのだが、きっと、ピーター・ビヨーン・アンド・ジョンか制作サイドは、一回ピッチを直してみたが、「悪いところはなくなったけど、良いところもなんかなくなったような――」という判断をしたのではないかと勝手に想像している。
ちょっとずれているけど自然のままの方が魅力的というのは、色んな分野でも言える気がして面白いなと思う。
理論的にはこう、この場合はこの定石で綺麗になる、という方に直すと、なぜか元の良さが消えてしまうということは往々にしてあると、様々な方面で感じることがある。
とはいえ今日録音した口笛テイクは、いくらなんでもピッチをはずしすぎだろということで明日以降再録する。
「いくらなんでもこれは」というのと「ずれているけど、いい」というラインは非常に難しい。また、そういったものは、狙ってできるような感じでもないあたりがすごくいい。そして、結局最終的にはそこに戻ってくる気がしてならない。
_07/17
今日は新業務においては見積もりの電話1本のみ。「反響が増えてきたじゃないか」というポジティブ思考と「今日はその業務の売り上げはゼロ」というネガティブ思考が交差する。
とにかく稼ぎにつながることをしようとガッツを出し、ネットでちょこちょこやって、その後は口笛ソングを引き続き作り進める。
普段あまり飲らないエナジードリンクを摂り、さらにブラック珈琲も深煎りさせて飲んだことが起因でカフェインがいい感じにキマったのか、一気に完成間近まで進行する。
一方の源泉がイマイチならもう一方を、それも芳しくなかったらこっちを、あっちも同時進行で――という循環のもと、なんだかんだで事業として成り立って資産もガンガン増えていくぜ、たまらん。というビジョンを描いて行動しているつもりではあるが、理想のラインはまだ遠い。42歳も間近。
_07/18
謎に朝方まで呑みが過ぎ、けっこうな二日酔いであった。これは感心せんぞとグラグラしながら日中を過ごす。リピート依頼を1件頂いたので赴き、売り上げを得る。
そして制作をして1曲完成させ、プラットフォームに申請する。ここまでずっと酒が、正確にはアセトアルデヒドが体内を巡りっぱなしで実にしんどかった。
やることやったしちょっと休憩しようと、最近毎日のように再生しているブレイクコア(バキバキの高速ビートとアンビエントなテイストが混じりがちなやつ)のプレイリストのYouTube動画を視聴する。なぜか、心がとても落ち着くのである。
よしまだ時間もあるし俺も久々にブレイクコアを、ワープ・レコーズ(エイフェックス・ツインとかオウテカとかで有名なイギリスのコアなレーベル)的なエレクトロを作ろうかと鍵盤を叩く。
しかし、完全に作っている当人の趣味なので、そういったものはなかなか一般的に受け入れられ難いかもしれんと察し、なるべくポップにしようという気持ちを根っこに置く。個人的な趣味全開で高速ビートのエレクトロミュージックばかり作っていた30歳前後の頃にはなかった気持ちである。
10年も経つと色々とマインドも変わってくるものなのだなと、大好きなブレイクコアを通じてしみじみ思う。明日も聴いて心を整えよう。コア過ぎバキバキ高速ビート。
_07/19
首やら肩やらの凝りだか筋肉痛だか、起床時に痛くてたまらんと、これは疲労かと、昨日は変な格好で鍵盤を叩き過ぎたかと、今日はゆっくり休もうと、温泉卵を一玉ニュッと食べて珈琲を淹れてとりあえずメールチェックとかはする。
明日は誕生日だなと、本厄の年の最終日ということもあるし、個人的な祝い酒でも買いに行こうと池袋へ出かける。
たまにはどれ、高価いワインやらウイスキーやらをドンと買ってやろうかと、ルンルンとしつつ散歩する。まずは、お誕生日ポイントをくれた「イケベ楽器」で消耗品を買う。円安の影響か、心なしか弦がお高い。しかし節目なのでそんなに頻繁に交換しないメインベースの替え弦もと、ギターとベースそれぞれの弦を数セット。
小計5,000円近くというのもバカにならんなと決済するが、それで曲作って稼げばいいじゃないかと前向きに捉える。先行投資みたいなものである。
手前の知識やらの吸収のためにも自己投資するかとジュンク堂に入る。「ウェブ3.0」やら「メタバース」「暗号資産」などなど、これから勢いが増すであろう分野に関しての書籍を購入する。これらのフレーズについて、全くと言っていいほど見識がないのである。
しかしウェブコンテンツも扱う手前、ちゃんと理解して仕事に活かそうという気概のもと、価格は気にせずにホイと買う。とはいえ1,650円と悩むほどの値段ではないが。
さてどうでもいいことをしようと「ゲーセンミカド」に入る。地下の昭和な雰囲気全開のフロアに降り、若干アツくなれる「脱衣麻雀」を意気揚々とプレイする。無駄に連勝し、今日は調子がいいぜ、しかし隣にアベックが居るとやりずれえなと、そのようなことも思うが、俺はツモる度に筐体のボタンを強打してはアベックを威嚇した。
気が済んだので酒を買う。ワインやらはハイクオリティを求めるとキリがないのでビールにしておく。ビールだったらいいやつでもせいぜい1本500円とかである。
そういったわけでお気に入りのベルギー修道院ビール「シメイ・グリーン」をチョイス。こいつのアルコール度数10%というえげつなさがたまらない。通常の倍である。どうかしている。しかし本当に美味しいのである。
収穫も十分、というか意気込んだわりにはさほど金使ってないなと、1万円いかなかったなと、「富士そば」で鴨せいろをすすって帰る。これも540円というリーズナブルさ。
ああ、俺は贅沢をするのがへたっぴなのかなとも思ったが、年に1度の誕生日にしてはだいぶ支出を抑えられていいじゃないかと前向きに捉える。休みとは言っても何もしないのはむず痒いので制作をちょっと進める。静かな高速ビートを組み立てる。これが実にたのしい。
数え年で42歳厄年。すなわち実年齢41歳の時期は今をもって過ぎ去った。せっかくなので、男の本厄という年に如何にひどい目にあったのかを、ワースト3形式で列挙して振り返ってみることにした。
第3位、親父死亡。一般的に、実親の死は完全に不幸そのものであろう。ともあれ、彼との関係性や晩年の介護のくだりを思い返すと、悲しみもあったが「終わったのか――」という類の心境が最たるものであった。
第2位、案件減少による悶絶。メインであるライター案件が諸事情(トラブル等ではない)によりめっぽう減り、収入が減ったことである。しかしそれを補うためにも新事業を走らせたが、最初は驚くほど引きがなくて挫けそうになった。最近は定期的に依頼を頂いたり、見積もりという反響も増えてきたのでこれから、といったところだろうか。
第1位。謎のメンタル不調。秋あたりから半年以上、まとわりつくような不安感がたまらなかったのである。先月あたりからようやく、だんだんと、確かな回復を感じてきているがとにかくずっとしんどかった。えも言えぬ焦燥感と、唯ぼんやりどころか、ヌメリしつつも鋭利な不安感が纏わり付くような状態がしつこつ続いたのである。原因は色々あるだろうが、どれも少しづつ快方に向かわせているつもりであり、最近はだいぶ元気である。
そういった感じで手前の本厄は終わった。これからはその反動で押し寄せるようなハピネスと共に人生を謳歌するのだなと、そのように信じる。
それにしても親の死が第3位というのも人としてどうなのかとも思うが。前提として、ちゃんと悲しかったことはよく覚えている。
悲しみや、つらみや、谷を感じるような時期の反動で、42歳以降、実にほっこり楽しく過ごせるであろうと未来を明るく見据えることにする。
_07/20
なんか首と肩の凝りみたいな痛みがまだとれんなと、もしやこれは風邪ではないかと、薬局に行って葛根湯的なやつを買って飲んだらよくなってきたので、ああそういうことか、休んどけというタイミングか、ということで今日は静かに過ごす。
ワンチャン例の感染症の可能性もなくもないので、なおさら一人で、休日としてゆっくりしている。そのつもりであったが、なんかウェブサイトを更新したくなったのでそれを昼過ぎから夜まで延々やる。誕生日ではあるが、実に静かにカタカタと暮らす。
というのも、今年の抱負というか意気込みとして「もっと稼ぐ」というテーマがある。そこで、ウェブサイト経由やらの収益は非常に大事だと、ユーザー様が扱いやすいようにという、そのような思いのもと色々ブラッシュアップしたりする。
一心不乱に記号やテキストやらと格闘してサイトを更新する。最中、案件の見積もりを頂き、幸先いいじゃないかと、感謝と共にモチベーションが向上する。
夜、足立くんがわざわざ宅まで誕生日プレゼントを持ってきてくれる。俺好みのでかい酒のボトルである。俺はやったぜと、彼に胸いっぱいの感謝を伝える。
うえーいシャンパンシャンパン! ビールビール! というハレの感じのバースデーというのもいいなと思うが、このように静かに過ごしているのもなんか性に合うなとほっこり。
何しろ、品をくれに来てくれたり、おめでとうとメッセージをくれる人が居るということが凄く嬉しかった。まこと健やかで幸福な気持ちになった。手前に関わって頂ける人に対し、多大なる感謝の意が静かに激しく膨張した42歳のスタート。
_07/21
ブラジルの川のほとりのような熱帯気候。外回り営業をしていてくたばりそうになる。もはや東京は、日本は、ブラジル並みの熱帯地域ではないかと不服を漏らす。一度も南米に行ったことはないが。
帰宅し、昨日の依頼の件のやりとりをする。たいへんスムーズにクローズする。売り上げを得る。その刹那、ウェブの某プラットフォームに出しておいたメニュー経由でライター案件の依頼提案を頂く。
これは、42歳になったタイミングと同時にトトトと案件がくるじゃないかと覇気が漲る。昨日、「稼ぐ」というコンセプトを掲げた瞬間に、こんなにわかりやすく仕事が来るようになるのかと、本気で意識するとなんか手前から方々に電波でも飛ぶのかと、そのようなこともあるかもねなどと思いつつ、丁重にご対応する。
よしよしと鋭気が満ちつつサイトの更新をする。そして休憩がてら自己啓発テイストのYouTube動画などを観て、あとの時間は制作をする。ブレイクコアを作り進める。メインパートと基本ビートが出来て全体像が見える。
ブレイクコアというエレクトロミュージックのジャンルは、広義的にはドラムンベースやジャングルといった高速ビートを更に緻密に、えげつなく過激にしたやつなので基本ビートの構築は重要。個人的には、そういった系統のエレクトロはドリルンベースという言い方のほうが馴染み深いが。
とはいえ、よくある凶暴な感じではなく、可愛めでポップで、聴きやすく、ユーザー様が使いやすいブレイクコアにする設計図。そんなブレイクコアってあるのかなとも思うが、なくもないであろう。
ここ数日で蝉ちゃんも元気に鳴き始め、夏本格始動といった空気感である。それを受け、だいたい毎年記す。海に行きたいだの、スイカ割りがどうのだの、花火やらビアガーデンなどと、夏らしいことがしたい欲の内容をリストアップすることが定例である。
夏を満喫したいという気持ちはあるが、今はとにかく仕事をしていたい。稼ぎに繋がることに没頭していたい。
これはいよいよまともになってきたのかなとも思うが、年齢的にそれはそうだろうと、むしろ10年前からそのマインドでいろと、そのようにも思う。
まともなことするのも大事だが遊びも大切だよなということで、夏だしビーチで脱衣麻雀という妙案が出た。1回でもツモられたらほぼ全裸確定というスリリングな遊び。しかし秒で公然猥褻罪のリスクが生じ、サイレンが鳴り響き浜辺がざわつくのは明白なので当然棄却。
_07/22
暑いな夏だなと、日中は営業をし、依頼を1件受け赴いて業務をし、売り上げを得て宅に戻る。しかしまだ首回りの筋肉痛なのが完全に治らんなと、なんか昼飯の「牛丼並」を完食するのもしんどかったなと、熱を何度か測り、平均値は36.6度。
「平熱」の範囲内なのだが、手前にしては、いつもより0.5度ほど高い。若干だが倦怠感もある。ごく軽い風邪の症状。これはもしやと疑うべきである。ここ数日で国内の感染者数マックスを推移している新型コロナウイルスに感染しているか否やである。
普段なら、これくらいだったら検査に行かないのであるが、明日は20時台あたりにヨディーさん方が宅に来る。一緒にツイキャスをやってくれる予定なのである。
そうなってくると、この若干疑わしい状態はハッキリとさせておく必要がある。アーケード街のあたりで無料検査の場があるのであるのでそこに検査してもらいに行く。
行ってみると、まずPCR検査という流れであったが、それだと即日判明とはいかず、明日の夜にわかるという。「それだと遅いのです」と、事情を説明する。
「そうですか。では抗原検査もありますのでそちらでは?」
「賜ります」
「でも今、できる人が外に出ていて。今呼びますね」
「お手数おかけします」
「もしもし? あたし。うん。今日知りたいんだって。でも今日できる人あの人だけで、電話繋がらないの。うん。そうそう。鬼電して。繋がんないんだって! うん。そうそう。鬼電して」
「すみません急かすみたいで」
「いえ! 今しばらくしたら来ますので」
ということで鬼電によって召喚された係の方がいらっしゃる。抗原検査というやつを初めて受ける。
「鼻の奥の方でその綿棒みたいなのを5周させてください」
「これあれですか? インフルの検査みたいにマジで痛い所までブスリと?」
「痛いかな、の手前くらいで大丈夫です」
「クルクル。いてて……」
「ではここに浸して――蓋をして――しばらくお待ちください」
その後、特殊なキットに検査状態完了となった液体を5滴浸す。数分待つ。
身体の症状的には、ほぼほぼたいしたことないのだが「風邪」や「疲労等」なのか「コロナ」なのか、あと数分でハッキリとする。案外緊張した。
なにせ「陽性判定」だった場合、明日の予定は当然キャンセルごめんなさいとなる。今日の依頼者に「月曜と金曜もお願いできますか」と、ご予約も頂いているがそれも行けなくなる。水曜には遊びに行く予定が――来週の日曜には銀座に行く予定が――。最悪の自体を想定しては神頼み的な心境となる。
「ではここにご記入を……」
「はい。そろそろでしょうか?」
「もうちょいお待ちください」
「はい。カリカリ……うん? なんかクッキリ線が出ました!」
「う〜んと……」
「どうです!?(クワッ)」
「こっちに1本だけ線出ているので『陰性』ですね」
「どっちでしたっけ? それはアウト? セーフ?」
「大丈夫なほうですよ!(ニコニコ)」
ああ本当によかったと胸をなでおろし再び帰宅。じゃああれだ、別の風邪とかか疲労が溜まってるんだと判断した。少なくとも、コロナウイルスには感染していないことが判明し安堵。
そういったわけで、夕方以降はソファで安静にしている。ちょっと起きて本を読んだりしてまた横になる。3時間くらいは安静にする時間を意図的につくる。いつもだったらまるまるその時間は制作にあてるのだが、今日はそのタスクはお休みにした。
少し快方してきて、減少気味だった食欲も出てきたのでサンドウィッチと海苔巻きを買ってきてもりもり食う。
結果、ちゃんと検査して休めたので安心感がある。今熱を測ったら36.4度と、さっきより落ち着いてきている。というかこれはもう平熱であろう。
そんな感じで、わりとナメてたコロナウイルスに本気で怯えた1日。検査結果を知るあの瞬間のドキドキ感はけっこうなものであった。
_07/23
意図的に休みの時間を設けた翌日、それはそうであろうというほどの良きコンディション。可もなく不可もなく。熱は、デフォルトの低体温36度ジャストちょいの完全平熱。
顧客用の資料を作成したりウェブ更新をしたりと真面目に過ごす日中。夜は、ありがたくも手前のバースデイ配信を敢行して頂くべく、来てくださったみなさまと酒をグイイと、グラスに入った酒を一気に流し込むなどという、最近ではあまり感心しないであろう呑み方などを、とはいえ俺は好きな呑み方をしつつ、たいへんハッピーに過ごす。
アーティストのSPALさんにプレゼンツとして賜った侠客的シャツは「これがほしかった」というほど肌に馴染む。最高の逸品。手前の好みを熟知してくださっているあたりがとても嬉しい。
配信後、仲間たちと愉しく話をポップにしつつ各々のグラスは進む。とても楽しいひととき。
思えば、誕生日のイベントと表し、このように賑やかな時間を共有するなど幸福の極みであろうと、そのようなことを思いつつ日記を書き、その手元は、大丈夫かというほどおぼついていねえじゃねえかという体たらくであるが、それもまた一興。
俺は周りの方々にとても恵まれていると、そこに関してちゃんと認識できた1日。シャンパンをホストのお兄さんの如くキューと綺麗に吞み干すくだりを、さぞあたり前かのように促す仲間たち。真似をしてはいけないよ、でも、俺は今日あたりは楽しいから喜んでやるけど、このようにフラッフラになるよと断じたい。
でも年に1年くらいはいいじゃないかとみなさまと笑い合う。42歳厄年。正確には数え年カウントで本厄は過ぎた新年、さあがんばろうぜと、悲しみの果ては素晴らしい日々をと、そのように明日からも張り切りたい。
楽しすぎて、みんなが帰ったあと、ちと寂しい。この感覚を大事にしたいところ。
07/24
頭痛にダルさ。激しく水分を希求。実にわかりやすい、お手本のような二日酔いである。しかし、昨夜は楽しく過ごさせて頂いたこともあり、精神エネルギーはめちゃめちゃある。やる気全開で営業に出る。正確に言うと、まだちょっと酔っ払っていたまである。
ご予約の依頼をこなして売り上げを得る。そう、昨日人様にも言ったが「稼ぐ」というのが42歳からの抱負なのである。
もっと稼いで、やりたいことを全部やって、いろんな人と過ごして楽しんで、人生の本流を全うしたいのである。それにはやはり稼ぐことは重要だなと今更思ったわけである。
さて制作もするか、サイトの更新もするか、とは思うが新宿歌舞伎町2丁目界隈のお兄さん方のような呑み方をした翌日、そうトトトと体がついてこない。ちょっと休憩ということで小一時間ソファで仮眠する。
わかりやすいくらい酒が抜けたのでトンカツをがっつり食いに行き、戻って制作をする。〆に日記を書くが、昨日ベロベロの状態で書いた文章が誤字脱字だらけだだったので校正する。
体調もよくなったし、コロナも陰性だったし、ハレの日に活力をチャージしたしと、とても健やかな気持ちで過ごせた通常運転の良日。
_07/25
以前一緒に色々とやっていた一回り上の社長さんより入電。とある情報をご所望とのことだったので、手前が知る限りのことをお伝えする。
あとは久しぶりだったこともあり、近況などをトークするわけだが、なにぶんお互いの年齢を確認し合っては「そんなになるかあ――」となる。最初会った時は、確か俺は25歳くらいの青二才だったものだからそれはそうである。
「ケンちゃんが42歳なんて信じられないよ――」
「いやあおかげさまで――確かにですねえ」
などと、まあ色々と楽しく仕事の話や雑談に花を咲かせる。そして、厄年の話題になる。なんでも、お祓いに行くといいのではないか、とのことであった。
お祓いを経験なさったという社長にその際の価格を聞くと、コース的なものにもよるが、3万とかするらしい。
「高いですな」
「安くはないかもね。でもそれで厄が払えるなら――お参りに行くだけでもいいんじゃない?」
ということで俺は前向きに検討した。3万コースとかにするかはちょっと考えてしまうが、とりあえず寺には行くことに決めた。赤羽八幡神社が歩いて行ける距離に鎮座している。
年始はいつも、超思い切って1,000円とか賽銭を入れて本気で願う。今回は、寺の人に適正価格等を聞いた上で、その値段で念じ、たまには手前のこと一点張りで願おうと思う。いつもは聖人君子を気取ってみんなの幸せを願うのがデフォルトなのである。
周りの方々が幸せなら俺も幸せ、ということでいつもそのように願うのであるが、手前が幸せなら周りも幸せかもね、という柔軟な思考を持つことにした。
「神主さん、これこれこのような願いが複数あるのですが、そのへんを一括で願う場合いくら入れれば叶いますでしょうか?」
「は?」
となりそうなので、後厄初期の立ち回りについてちゃんとお伺いして、作法に則ろうと思う。案外、ちゃんとお金を払って、ザッザと頭になんか当てられたり神々しいお札をもらったりしたら気持ちがスッキリする気がする。
そのへんは、手前の思い込みの強さを良い方向に促したい。「お祓いが高いというのであれば、滝行っときます? あれは安いし効くよぉ〜」と言われれば俺はバキバキに滝に打たれに行く気概だってある。なんかシンプルに一番効きそう。
_07/26
メンソールの煙草を吸って、小さな自転車で、寺院に行こう、寺院に行こうと、大きな想いで、俺は休日の時間を、意味のあるものにしようとした。
今日は体調がとてもよい。しかし油断しちゃいけないよと、昨日のアドバイスをまともに受け、まずは寺へ直行した。「後厄舐めるなかれ」という人生の先輩様の助言起因の厄払いのためである。SPALさんがくれた激しいシャツを着て意気揚々と出かける。
赤羽八幡神社に着くと、心地よく涼しげでアンビエントな空気を受ける。ここは神聖な場所であると、心が静粛に認識できるモードに没入できる。
境内には一人だけお参りに来ている様子。俺はまず、水場で手を清めた。ああ穢い、穢いかなと、この手で幾たびの過ちを犯してきたのかと、いや、自覚する限りはそれほどでもありませんよと、神さまはどのようにジャッジなされますかと、チャプチャプと冷たい水で涼む。蒼い空を見上げては、とても暑い日だなという自然な感想が漏れる。
寺のフロント的な場所に行き、貼り紙を吟味し、まずは手前が大殺界ではないことを確認する。ではお守り購入と参拝をもっていして厄を払おうと決断する。
「コンコン。すみません。後厄なのですが――」
「そうですか。厄払いでしょうか?」
「はい。お守りが欲しいのです」
「このあたりなど――」
「たくさんの色のお守りがありますね」
「色によって、役割が違うんですよ」
「なるほど。まずは厄を払い、そして健康でいて、たくさん稼ぎたいのです」
「厄払いならこの赤いものがよろしいかと」
「健康も……」
「それは緑色のものになります」
「あと、稼ぎたいのです」
「それでしたら『赤』には『勝負』と『発展・成長』というご利益がありますのでよろしいかと」
「すみません。欲しがりで」
ということで、俺は「赤」と「緑」両方いったれと思い、2つ購入した。しめて1,000円という、なんというかちょうどよい価格であった。
「あと、本気のお参りもしたいのですが質問がございます。お賽銭の適正価格はおいくらでしょうか?」
「それはお気持ちですから。『5円』でも、『1円』でも――」
「左様ですか。では、直感で決めます。ところでこのお守り、効きますかね?」
「信じれば――」
「では、信じます」
信じるということ、そして思い込みというのは最高級にパワフルであることを俺は知っている。だから信じる。1,000円で信じる。そしてお参りをする。社の正面に向かった瞬間の直感を、俺はお賽銭の価格にすると決めた。そこで秒で湧いた直感は「持ち金の小銭を一切合切ブチ込め」とのことであった。
一瞬だけ、銀色の硬貨がどれくらいあるかを目視し、「うん、いこう」と全て投入し、俺は声に出して願った。
健康でありますように、仕事がうまく行きますように、稼げますように、あと、なにしろ健康でありますように、具体的には大病は御免です。そして、特にメンタルヘルスが健やかでありますように、あと、いっぱい稼げますように、前提として、努力はします――と。
私利私欲全開で俺は願い、たいへんスッキリして帰宅。お守りはコンパクトな貼れるタイプのやつだったので財布の内側にビタッと貼り付ける。
はははもう大丈夫だぜと俺は気を良くし、制作にとりかかる。宵の口、セッションバーに仲間と遊びに行く予定だった為、錦糸町に赴く。わっしゃわっしゃと遊んで楽しむ。帰りは仲間お二方と一緒に居酒屋で談笑して和やかに過ごす。
なんとも良日ではないかと赤羽に戻って呑み屋街経由での帰路。黒服さんからアプローチを受ける。「どうも。またお散歩ですか?」と。「ええどうも。仕上がってますので、また――」と、笑顔で躱す。
そういったわけで参って遊んで呑んでという見上げた休日。お守りやお参りが効くのかどうかといったら、そこを信じる前提ではあるが、今日あたりは久しぶりに電車での移動が全然苦痛ではなかった。
8カ月くらい前から、交通機関での移動が謎に苦痛だったのである。車両に乗るだけで原因不明の不安感に襲われるという地味に辛い症状がついてまわっていたのだが、今日は「あれはなんだったのであろうか」というくらい、完全にとまではいかないが、ほぼほぼなかった。
いやいやお守りもお参りもやはり効くじゃないかと、そのように受け止めるのが正解であろう。明日からは、寺院に向かって敬礼するところから1日をスタートさせるのを定例としようか考えたが、それは度が過ぎているかなというところで棄却。様々な方面で、たいへん健やかに過ごした真夏の休日。
_07/27
ライター案件をひとつ頂いたので原稿を書く。あとの時間は制作等、宅作業がメインの静かな暮らし。
原稿書きと制作。この2つに半日くらい使う感じは肌に慣れている。最近、取材がないのがちと寂しいが。寺で願ったご利益が早くも射し込んで来たのか、すぐに案件がきてくれたことがまずありがたい。
心身共に調子も良いし、この感じでコツコツと冬場を迎えるのかなと、それまでに1回、今度こそひとり旅に行こうと計画する。ざっくり熱海あたりで湯治でもどうかなと、のんびりしたバカンスを想像する。
なにせJR赤羽駅から電車1本で着くわけだから気軽に行ける。明らかな非日常でないと広がらない思考や気づきを得に行きたいという裏テーマもある。
普段のルーティーンが主だと、なかなかハッとできないことが往往にしてあるというのはよく聞く話。旅に出れば、なにか新たなビジネス的発想が飛び出るかもしれない。「熱海で閃いた」「熱海に居た」くらいのインパクトが得られることを雑に願う。
_07/28
ちびっこが浸るビニールの小型プールでちゃぷちゃぷと涼み、パインの実がサクッとグラスに刺さったトロピカルドリンクを優雅にすすりたいと、シーズンらしい率直な欲が湧くほどクソ暑い。
まあ夏らしくていいじゃないかと、熱風を切りながらチャリを走らせ、新事業の依頼で2件まわる。売り上げを得る。稼ぐ。
帰宅して経理等のデスクワークをちょびっとやってYouTubeで青汁王子を観てちょびっと休み、漢の夏めし「ニラレバ定食」を食いに行って戻って原稿をやる。やりおおして提出。
これくらいの案件・依頼量が最低ラインで日々過ごしていれば、いい感じの全体収益額となるのだがなと、しかし案件や依頼がない日もあるしなと、とはいえ少しずつ上がってきてはいるのではないかと、次元上昇の時は近い、などと、要は前向きに捉える。
そういったわけでまあまあくたびれたので麦酒あたりを適量流し込んで眠ろうと思う。最近は謎に家族が夢に出演したり、昨日なんてビリー・アイリッシュをはじめとするセレブ寄りな人たちと楽しく過ごすなど、意味深な無意識が睡眠中に脳内を馳せめぐる。
きっとよい兆しと直感的に思う。たいへんな暑さが続くが、夏は人をポジティブにさせる気がする。夏生まれの俺は、メンヘラ気味ではあるが、性根はスーパーポジティブという素質があるはず。そう信じてやまない。
家族はそれを伝えに夢に出演するのかもしれない。そして、ビリー・アイリッシュは夢の中でも楽しそうに踊ってらっしゃった。「未来を見据えて、楽しんで、今に集中せよ」と、そんな解釈で合っているのだろうか。親父に母ちゃんに兄貴にビリー・アイリッシュさん方よ。
_07/29
昨日と一転して、案件は手元にないわ依頼も来ないわという体たらく。せっせと営業するも激しく暑く、本気でキモくなってくる。
「なか卯」で「親子丼すだちうどんセット」というたくましいランチを食い、俺的に当店名物のキンキンに冷えた濃いめの緑茶を3杯飲んで復活。わかりやすいチャージ感を得て帰る。
ふとしたきっかけで、ごく近所のマダムと道端で雑談をする。けっこう仲良しになったフィーリングであった。
「――私はこう見えて82歳なのよ!」
「えええ! 50代とかに見えますよ! いやこれは本当に」
「あらありがとう!」
「肌なんてほら、綺麗じゃないですか」
「うふふ。でもシミとかほら……」
「いやいや全然全然! あれ出れますよ。『これで80代です!』的なCMに」
「うふふふ。元気なのよ。あの、あそこのなんちゃらっていう所では班長をやっているの!」
「班長ですか! 凄いですね! ところで僕、最近こういうのをこの界隈でやっておりまして――」
と、ターゲット層である年齢と判明したのでマダムにチラシをわたし、サービス内容を説明し、すぐにご理解頂く。なかなか好感触であった。俺はマダムから梅ジュースを頂き、笑顔で「じゃあご近所同士よろしくね」と相成った。
マダムが班長を務めるその界隈で、俺の事業を口コミで広げてはくれんかと期待を寄せる。今日の収穫というか、変わったことといったらそれくらいであろうか。
俺からしたらあのマダムの歳まであと40年もある。彼女は、本当に流暢な口調でハキハキと、姿勢はビッと、笑顔も明朗快活そのものであり、これまでの人生の流れや、ハマッているという城めぐりなどのお話をウキウキとトークしていた。
あのような老後もあるのだなと俺は勇気すら頂いた。今、蒔いている種が大きく花開き、余裕綽々の暮らしのなか、自分より3回り以上下の若人を捕まえては世間話で盛り上がる。いいじゃないかと活気が漲る。
とはいえ今日の現金売り上げはゼロ。ストック収益が少々のみ。そういう日もある。
_07/30
案件で銀座へ。興行のお手伝いで終日みなさまと楽しく1日を共有する。
今日あたりはめしがうまいぞと、帰路は仲間に「夜も22時前だが蕎麦が食いたい」という強い気持ちを何度も言葉にする。
それが感化したのか、みんなでズゾゾと蕎麦を食い(おごってもらう)、蕎麦湯を飲み干し、確かな満足を得て帰宅。
やはり、なんだかんだで、日中は大勢のひとたちと一緒に過ごすのが最も健全な人間のかたちなのかなと改めて思う。同時に、それはそうだろうとも。
帰りにでかめの鰹のタタキと酒を買ってきたので、今日は早めに〆てゆっくりして眠ろう。やや寝不足気味であったがたいへん健やかだった今年7月のラスト。
_07/31