ここだけ毎日更新。ツイートばりの短文日記。
わりと快適な日々。9月。
今日はギターレッスンをしてメシ食べて原稿おこしを4時間弱ストレートでやりおおすが、本来はお休みの日であったことを思い出し、なんともムラムラとする。
精神的な快楽欲求や、楽をして過ごしたい欲、娯楽に興じる欲求を、ここ1カ月ほど超小出しにして誤摩化しているので、イマジネーションや遊び心を生み出す大切なエネルギーが枯渇気味である。
そいつを回復させるには、思い切り休んだり、思い切り遊んだり、芯まで芸術を浴びる。その他に方法はない。
しかし、そいつをここのところサボっている。ほんのちょっと小出しにすることで食いつないでいる自転車操業状態である。行く末は明確な破滅と精神崩壊である。
「へただなあ。カイジくん。自分へのご褒美の小出しはへたっぴさ。やるなら思い切りやらなきゃ……!」
という、大槻班長の真理を突いた台詞を思い出す。昨夜など正に下手っぴで、朝方まで酒を呑んだ挙げ句、当然の二日酔い。自分へのご褒美のあげかたとしては最悪の部類である。
明日こそはお休みなので、散財してやろうかと思う。ほぼ無駄に近い買い物でもしようかと思う。
しかし、そうは言っても、ちゃちいネコの置物だか何だかを買って満足して、街中散歩をして帰ってきて、けっこう回復した気になれるのだから俺は本当に欲がないなと思う。いっそ寺にでも帰ろうかと枯れた心境になる秋のスタートライン。
_09/01
完全休業日ということで出かける。あらゆるジャンルで店舗分けされた新宿のディスクユニオンをはしごする。エレクトロ盤のアルバムとEP盤を買う。昭和歌謡館で堀ちえみのブロマイド¥360を買おうかと思うが思いとどまる。
開店前の新宿ゴールデン街をさまよう。昔居た超でかいネコが見つからなかった。野郎寿司で10皿たいらげる。もっと食べたかったが、ヤメとく。
散在しに伊勢丹へ行くもブランドの服とかは自分的に高価いと感じたのでヤメとく。楽器屋で弦などの消耗品を多めに買う。
休んで遊んでいた休日というよりも、何となく、さまよっていただけの気がした日であった。下手っぴな日だった。
_09/02
赤羽の喫茶店で過ごしたり散歩したりと割とのんびり過ごす。昨日今日明日でバカンスとしようとしたが、ちょいちょいと用事ができてきたので諦める。ぐう。
_09/03
9時に病院に面会やらに行くという用事があったが、3時間遅刻する。3時間である。
昨日今日はお休みとずっと決めていたので、昨夜は気が付いたらソファで気絶寝、足下には「いいちこ」の小瓶が転がっていたのだから仕方ない。
そう説明できる訳もなく、申し訳ない旨を係の方に伝えるが、別に俺が3時間遅れようが特に問題なかった感じなので、だったら何故朝9時なんて早くに設定したんだ馬鹿野郎という逆切れの心境をグッと堪える。
服屋さんへ行ってチノと黒のパンツとイヴサンローランの任侠っぽい柄のネクタイなどを買う。俺はこういったナニワ金融道的なファッションセンスがいたく好きである。何故かはわからない。
夕方あたり、寝る。夏の疲れが爆発し、4時間という長尺の昼寝となる。ムクリと元気になったので原稿を書いたりアコースティックギターの弦交換をしたり、LINE電話でピュルっと打合せをしたりする。これくらいの日があと3日欲しい。
_09/04
あらゆることが交錯してやることが非常に多く、時間に余裕のなき日につき、たいへんイライラするがそこはグッとこらえて、念仏を唱えて心を落ち着ける。イラついている人間というのは問答無用で見苦しいものである。
と、記しているだけでも少し心が落ち着いてくるから不思議である。日記式精神衛生向上法。交流分析なみの効力があるという。
_09/05
そうは言っても人間忙しければ気が立つというもの。昨日と等しい程度の具合の日であったが、解脱をし、悟りを開き、数多のチャクラが花開いた俺にとってイラつくなどという下等な感情は排除されている。
しかし、うどんの大盛りにでかいトリ天ぷらを食べ、ハンバーグカレーを食べ、エナジードリンクをゴクゴク飲むという、普段とはかけ離れた食生活になっていることから察するに、イラっとしたら怒りをあらわにすべきかもしれんとも思う。
だが、やはり結論は変わらず、自分でも他人でも、子供でも老人でも母親でも、イラつきをあらわにしている人間は、とにかく醜い。今日は瞑想でもしてマントラを唱えて座禅を組んで宙に浮いて寝るとしよう。
_09/06
ふつうに一日仕事をして、穏やかに過ごす。秋だからなのかよく食べる。どんどん仕事をしてたくさん稼いでメシをたくさん食べて、それから何をしよう。と、ふと人生においてやるべきことについて考える。
そういった、インサイドに引き込まれがちな鬱の秋がやってきた。鬱も躁もない人間とは、どれだけいて、実はどれがマジョリティなのか、とか考える。
_09/07
起きて20分くらいですぐに机に向かって原稿おこしを三時間くらいしたらフラフラする。コーヒーを飲んだら治ったのでレッスンへ行く。帰ってきてPCをスリープにしたままソファで寝溶ける。
_09/08
バースデーライブへ挨拶しに渋谷へ行く。ヨディーさんもみなさんとても楽しそうで何よりと思う。 深夜帰路、ホリ氏とおしゃべりをしながら帰る。
酒の呑み方などの擦り合わせをした結果、やはり一人で黙々と呑むのはいささかよろしくないのでは、という意見はまあまあ一致する。
酒やツマミや音楽の蘊蓄をタレながら放送する番組みたいのをやったら楽しそうよね、というほっこりした案も出る。
9月に入ってからというものの、律儀にカレンダー通りに秋の空気となり、物思うことはインサイド寄りになる季節。逆に、人が集まる場へ赴くことは大切だなと思いながら部屋に帰り、秋味というビールを一気気味に呑む。
_09/09
何かについてさんざん考えたあげく、とうとう悟りに達したことが午前中に確かにあったのだが全部忘れた。きっと、意識下にはずっと残っているのだろうが脳的には完全に忘れた。午前中の俺の脳細胞はやる気があるのだろうか。
ただ、そういうときはとても心地良い精神状態で健全にリラックスしている波長のときであろうから、ここ最近は健康的だと判断する。
でも大切なこと忘れるのは悔しいので、悟り一つにつきひとTweetしておけば良い、と思うが、危ない人物と思われたら多少不本意なので却下。
_09/10
坂口安吾さんの小説を読んでいたら、「カストリ」という裏酒のことが記されていた。その酒は、その頃の粗悪な製法の酒のことらしく、きっと「酔えればいい」という感じの酒であったということを思做す。
現代でいうところの、コンビニで150円くらいで買える「アルコール9%系」のシュワっとした酒がこれにあたるのだろうか。
最近はウィルキンソンの9%のカストリ的なやつをよく呑む。これがなかなかまわるからタチがよろしくないが、おいしい。今日も買いに行こう。
_09/11
カストリ的なジャンクな現代的裏酒がジワジワ効いているのか、日中ちょっと眠い。だが僕は、まどろみもせず陽が高いうちはだいたいアッパーという体質でもないので、シラフとさほど変わらないであろう気がする。
フリーテーマの毎週連載掲載という実に楽しそうな案件がくる。「ビンテージロック」「エレクトロミュージック」「ビジュアル系」と、なんとなしのカテゴリを担当の村上氏から割り振られたが、とても面白そうである。
順番に、古きロックは10代の頃、バキバキのテクノは20代の頃、90年代のV系は30代になって、気が触れてひきつけを起こして爆発したほど聴いたジャンルだ。
締切りに苛まれるのは嫌なので、できるだけ書き溜めておこうと覇気を出そうと思う。万一、企画終了や打ち切りとなったら、このスペースは行き場を失い一円にもならなかった原稿の墓場となるかもしれないが、それはそれで一興かもしれない。
_09/12
一日、静かに机で原稿書きなどをして過ごす。何て静かな日なんだろう。コーヒーが今年一番旨く淹れられて声が出る。人は、本当にイイと思ったときに、「何これ!?」と疑いの声を上げたりすることがあるのは何でだろうとか思う。
_09/13
知人の舞台を観に新宿へ行く。何だか体調が優れず、宅で小一時間くらいしか仕事をしなかったのだが、歌舞伎町の入り口付近の十割蕎麦屋ですすったら調子が良くなってくる。
役者さんの演技をライブで観て、色々と勉強になった気がする。そのまま同行したみなさんと夜遊びにふける。ビールと水を交互に延々と呑む。大勢で酒盛りをすると、何かが昇華された気分になり健康によろしいな。
_09/14
ヒモ生活というのを一度はやっておくべきだなと思っていたので、ヒモにまつわる漫画を買ってきて読む。
今キッチンにある塩がどうも合わない気がするので、塩売り場で吟味し、「ロレール岩塩」とかいう何か良さ気な塩を買う。「塩分50%カット」という意味の分からない塩もあったが、あれは何なのであろう。
_09/15
湿っていない涼しい曇り空の秋天候で心地良く過ごす。神社では秋祭りの支度ではりきっている。
きっと明日明後日あたりは、屋台や太鼓が朧げに映えるお祭りの予定と思われるが、季節に沿った容赦なき台風が来ているので、必死にテルテルボウズを作っては空に懇願する少年少女の姿が目に浮かぶ。
「いい子にしているからあした晴れますように」と。
でも、どんなに願っていても、どんなにいい子にしていても、全力で信じて願って最善を尽くしても叶わないことがあり、しかし、そこから全く別の新しい希望があることに気付くという、そんな機会でもあると思う。でもかわいそうだから台風さん、今回は逸れてやってください。今夏は雨ばかりでした。
_09/16
たまにはと思い赤羽の雀荘で夜遊びしていたところ、0時前に帰ろうと思ったら、ハンガーに掛けてあった俺の上着を別の輩に着て帰られた様子。
上着ポケットにはiPodやら手帳やらが入っており、持ってかれると非常に困る。店員さんが防犯カメラでその客の特定はしたものの、連絡先がわからず詰む。
替わりに残っていたその輩の上着ポケットには、鍵がジャラジャラと入っていたのですぐ取りにくるだろうと思い、待つ。しかし待てども待てども来ず、卓に入り延々打ちながら待つ。その輩が来たら恫喝してやろうと思いながら待つも、ようやく姿を現したのは、俺がヘロヘロのゾンビ状態になる頃、徹夜明けの朝の9時であった。
さすがにその輩はバツが悪そうに滅茶苦茶謝って上着を返してきたので咎めなかったが、今まで遭ったことのない種類の災難であった。
が、これは、控えているはずの博打を軽い気持ちで嗜もうと思った俺に、説明のできない何者かの意思が厳しく咎めてくれたと解釈するべきだと思った。何しろ、二度と雀荘には行くべきではないと思った。第一、俺は麻雀が弱い。_09/17
ものすごい眠い。シャケ弁当を買ってきてオリジナル大盛りサラダと一緒に食べてやや寝て原稿など書いたりして過ごす。買ってから2週間は寝かせているNathan Fakeの『Hard Island』をそろそろ聴こうと思う。こういったイギリスあたりのプロデューサーがつくるベッドミュージック的なやつはだいたい良いサウンド。
_09/18
ものすごくいい天気の中、レッスンに行く。帰り、赤羽中歩いて濃いめの色の綺麗めのシャツを探すが売っていない。こないだ買ったニートの漫画と殺し屋の漫画の続きを古本店で探すが売っていない。しょうがないので何も買わずに高い定食をガツガツ食べて帰る。
_09/19
朝から深夜まで仕事をしてヘロヘロのペロペロになる。昨夜は今年イチ恐ろしい夢を見た。酒で清めて寝よう。きっと明日はいいことがある気がする。
_09/20
昨日と同じような時間軸で過ごす。夜めしに至っては同じ鶏そばを食べる。恐ろしい夢を見るというところまで同じだ。何と言うか、変化に乏しい過ごし方をしていると気付かないうちに思考停止していく気がするので、明日は別の過ごし方をしたい。
けっこうな雨だが、役所行ったり病院へ面会へ行ったりする。ちょっとした差し入れを渡し、あとは何か必要なものはあるか、今、一番何が欲しいかとアルツハイマー患者に訊く。
猫が欲しいと言う。猫があればあとは充分だと言う。猫が飼いたいそうだ。僕も小さい頃は、常に切れ目なく猫がいつも側にいたので気持ちは解る。
買い忘れた必要品を近隣の大型スーパーに買いに行き、ちょうどワゴンセールでヌイグルミが安く売っていた。猫のヌイグルミもあった。
これでいいかと思うが、それを買って持って行って大喜びでもされたら、末期的な切なさに苛まれそうなのでやめとく。
_09/22
古本屋へ行ったが、探している本がどれも無くてがっかりする。新宿の真ん中あたりの古本屋といったら1店しか知らないので帰るが、その隣にあった紀伊国屋だったら確実にあったであろうことに帰宅してから気付く。
自分が読みたいと思った欲しい本をまず古本屋で探すというのは、どうも悪癖のような気もしてきた。心に染みる作品は、著者とパブリッシャーに現金を渡らせるべきだという基本的なことを思い出した涼しい秋分の日。
_09/23
ここ数日、迷い猫っぽい感じのキジトラのノラが自宅付近で定期的に鳴いている。片耳に切れ目が入っているから地域猫かもしれない。飼ってやりたいがそうもいかないので、近所の餌場に案内してやる。なつっこいので誘導するとゆっくり付いてくる。
神社付近に住む地主のばあさんが半野良たちにいつも餌をあげているので、神社まで案内した。ちょうど猫たちが集会をしていたようで、ぽつぽつと4匹ほど居た。初顔合わせでびびったのか、なかなかの勢いで木に登ったきり降りてこなかったが奴は上手く馴染めるだろうか。心配だ。
_09/24
宅で原稿を書いて過ごす。金木犀が微かに香ってきた。どうりで覇気がない訳だと思う。あのメランコリックな香りはどうにかならないものかと思う。
凄く好きな香りだが、嗅ぐと覇気がなくなる。正確に言うと、現実がどうでもよいという気分にフワッと包まれる。
絶対にダウナーな精神状態に陥らせる成分がふんだんに含まれているはずだ。と、この時期になると毎年思う。
_09/25
原稿のオーダー内容の比重が変わったので、ネタをいくつか考えて予定稿を書いて出す。秋だからかめしがやたらと美味く、たくさん食べてしまう。酒もたくさん呑んでしまう。元気である証拠な気もするので良しとする。
_09/26
だいたい数時間おきに目が醒める睡眠スタイル、いや、眠りが浅いたちなのかわからないが、昨晩はベッドで7.5時間を完走した。
ベッドで7.5時間完走と表現すると、とんだ絶倫野郎のやりおおした話に捉えられる気もするが、そういったタフガイな話ではなく、睡眠の話である。僕は、セクシーな話をするのが苦手なので、そういったエロ話講座があったとしたら率先して行くと思う。2万円まで出す。
7.5時間も一気に眠りこけると、夢の内容など一切覚えていない。僕は夢の内容を翌日の寝床まで引き継ぐという地味な技を持っているのだが、何の役にも立たない。一度も目覚めずに朝を迎える方が気持ちが良い。
しかし、夢を覚えていないと、酔っぱらって記憶が飛んだときの翌日のあの恐怖感に少しだけ似ている。
酩酊記憶喪失体験で最も恐ろしかったのは、知人の知り合いの初対面の方に、罵詈雑言を吐きまくった挙げ句、その方の鍵一式を奪い「これは俺のだ」と言ってきかなかったという大変迷惑な内容だ。25歳くらいの頃だっただろうか。
程度は大きく違うが共通するのは、実際に強烈な感覚として確かにあったのに忘れた、という恐怖感である。だから、寝てみる夢を忘れるということは、僕はなんとなく恐怖感がある。
が、完走系の熟睡は気持ちが良いので、最近の安眠の原因と思われる「スクワット&腕立て伏せ2セットづつ」を今日もやろうかと思う。
_09/27
結局筋トレ1セットしかやらず、浅い眠りの中なかなかの悪夢を見る。健康的で幸福な夢というのはほぼ見たことがないのは俺だけだろうか。
_09/28
起きてめしを食べてコーヒーを淹れて原稿を書いていたら例の野ネコがドアの前でニャアアアアンと鳴いている。
最近は出かける際に見かけたらちょいちょい弄って挨拶していたのが逆に良くなかった。「こいつは口説けば落とせる」と思われているようだ。
このネコの毛並みから察するに、元・飼いネコか、現在も色んな所でメシをもらっている半野良ジゴロネコであることは俺にはお見通しだ。ネコでも人間でも、そういった境界層の住人はすぐに判る。
キジトラの去勢済で5歳くらいのそいつは、完全に人間慣れしていて、簡単に腹を見せて転がってはゴロゴロし、「ニャアアアアン!(頼むよぉ〜!)」と、生活の面倒くさいことの一切をせがむ。
こういった世渡り上手の八方美人の奴は放っておいても別に大丈夫であろう。完全に飼うという甲斐性も出て来ないことだし、無責任に餌付けをすると近隣トラブルとなるので、見かけたらモフるくらいにとどめることにする。飼ってやりたい欲こそあるが。
この間は2つ隣の隣人のドアの前で鳴いていたので、それを各方面で20回もやれば一世帯くらいは引っかかるであろう。営業と一緒である。かわいい姿をしてなかなかたくましい奴だ。
夕方、有楽町へライブを観に行く。夜、トンコツラーメンをたらふく食べて戻り、原稿を書く。書き仕事をしていると、たまにネコと接したくなる。
物思いに耽っているようで実は何も考えていないおとなしい奴がいつもそばに居るといいな、とか思う。文筆家の方にやたらネコ・フリークが多いのはそういう理由なんだろうか。
_09/29
一日机で仕事をしてたいへんヘロヘロになる。喋れば文字になる便利な四次元アイテムが欲しい。
_09/30